奥さんが見てるとき、「僕がはじめから見てたら、犯人教えてあげるんだけど」
と自信満々でいってた気がする。
しろあです。
結果的には犯人を当てる、そういうドラマじゃなかったんですよね。
ドラマ『テセウスの船』のお話をしてます。
タイムリープもののミステリーという、最近で『東京卍リベンジャーズ』でもはやってる、
その先駆けのような作品がこれですね。
前回はとても面白い作品だったと感想を書きましたが、
今回はダメダメな部分を書きます。
①主人公がバカである。
主人公の「心(シン)」は日本犯罪の歴史に残るような事件の犯人を父に持つ子です。
彼は子供の頃から、その父親の罪の為に迫害を受けてきました。
理不尽に苦しむ家族、その中にいた身としては父を恨むことになるのは自然なことだったでしょう。
そんな彼が結婚し、子供を授かります。
その時、奥さんは「心のお父さんは冤罪だったかもしれない。私はそれを信じたい」といい、
独自の調査をまとめたノートを心に託します。
奥さんは出産のときに亡くなってしまいますが、
心はそんな奥さんの気持ちに少しでも寄り添おうと、父親が本当に冤罪なのか?
事件のあった東北の音臼村へ出かけます。
音臼村の事件があった小学校の跡地には慰霊碑が。
そこに来た時、心は謎の靄に包まれ、事件のあった平成元年へタイムスリップします。
……と、長かったですがここから実際に警察官であった父親の文吾(ぶんご)と出会い、
彼がどんな人物であったのか?! 実際に接触して確認していくのですが。
まぁ、心(シン)のその行動が、バカなんですよ。
そんな事したら怪しまれるよ、っていうこと平気でするんですよ。
その後、実際の父親の人となりに触れ、心は「父は無罪だ」と確信。
今度は ”真犯人が父に罪をきせるのを阻止させる” 為に奔走するんですが。
その行動がまた、バカなんですよ。
考えなしに突っ込むから、うまくいかない。
ミステリーは基本的に事件を解決に導く ”探偵役”(職業ではなく、あくまで役割)が
必要なんですけど、
探偵不在、熱血バカがずんずん突き進み、
犯人の罠にはまりまくってく、
というスタイル(?)になってしまってます。
ただ救いなのが、製作サイドでは主人公がバカであることは性格上織り込み、
その上できちんとシナリオを作っていること。
……何を当たり前な、と思うかもしれませんが、
そういうことができない弱いシナリオだと、ご都合主義で勝手に解決につながっていく、
子供だましのおもちゃみたいな話になっていくんですよね。
だから主人公はバカでも、脇を固めるキャラクターはそれなりにしっかりしている、
時代背景、設定などはきちんと破綻なく機能しているというのはとても重要です。
そこんところはクリア。おかげで安心して見ることができました。
主人公はバカだけど、愛すべきバカなので、
そこんとこは優しい気持ちで見守ってあげましょう。