あまり知られていませんが、数学って凄いんです『イミテーションゲーム』 | 白鴉(shiroa)のビバラムービー

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”ほんっと、数学って勉強する意味がわかんない”

”数学なんてなければいいのに!”

 

しろあです。

 

学生の頃なんですけどね。

結構頭のいい女の子の友達がいたんですよね。

彼女は勉強はできるのできちんと数学の点数もとってたと思うんですけど、

でもそんなことを言ってました。一生忘れられませんなぁ。

 

さて。

ここで考えていただきたいんですけど。

 

 もしこの世に数学がなければどうなると思います?

 

その答えはまた後ほどとして。

今回紹介する映画は『イミテーションゲーム』。

第二次世界大戦を舞台に、イギリスが如何にドイツを破ったか、

表立っては語られなかった影の戦いを描いたドラマです。

 

ベネディクト・カンバーバッチ主演。……この顔がずるいですよね! 

役にハマるともう、他の代役がきかないくらいハマってしまう。

 

監督はモルテン・ティドゥム。……しらんな。

 

 少し戦争の話をしないといけませんね。

 戦争中も人が生活しますから、輸入や輸出、人の出入りがありますね。

 戦争は半分情報戦ですから、効率よく敵を叩くには相手にとってダメージの大きいところを

 攻めた方がいい。たくさん物資を運んでいる貨物船とか。

 そういう情報を得たらば、ではどこで奇襲をかけるのか。

 それを全軍に伝達するのは当時無線(信号を送ります)が用いられていました。

 ただ無線は ”チャネルが会えばだれでも傍受可能” です。

 敵の信号も味方の信号も中立国の信号も、ばんばん空中には飛び交い、

 敵陣の仲間に通信するということは、敵陣にも傍受できる電波の力で発信しているわけで、

 

  そのため ”実質誰でも受け取れた” ワケです。

 

 でもそんなの敵に知られたら困るわけで、そこで使われたのが ”暗号化” 。

 信号を暗号化して、受け取った仲間だけが ”ある法則に従って復元” 。

 敵に知られずに味方だけメッセージを受け取ることが可能になる。

 

ドイツの強さはまさにそこ。この鉄壁の暗号装置 ”エニグマ” にありました。

 

こてんぱんにされるイギリスは必死でこのエニグマ解読できる人員を探します。

国家機密で集められた天才数学者たち。

かれらがエニグマの暗号解読を行う機械を開発する、というのがこの映画です。

 

その主たる天才(変態!)数学者、アラン・チューリングをベネディクトが演じたのです。

 

映画をみればいかにこのエニグマという装置が難攻不落であるかが分かります。

それをどう攻略するかも面白いのですが、

 

 この映画の魅力は ”仲間を助けたい” という気持ちのぶつかりあいです。

 

たくさんのイギリス国民を助けるために、家族を犠牲にする辛いシーンもあります。

数々の妨害により解読マシン開発が阻止されようとしますが、それをひとり諦めずに戦い、

チューリングは開発を続けます。

 

 その思いは、戦争を終わらせたい = たくさんの命を救いたい

 

という気持ち。

もしも私ならば……いや、多くの一般的な人ならば、

 

 あれだけひどい妨害にあえば自暴自棄になり諦める。

 世界が破滅してもしるか! といって諦めてもおかしくない。

 

そんなレベルですよ。

でもチューリングは変人で良かった! 変態で良かった!!

普通じゃなかったから、また、絶対にできると自分を信じていたから!

 

 やがて本当の仲間ができて、偉業を達成することができます。

 

映画が終わり、確かに第二次世界大戦を終焉に導いたのは彼らの功績が大きいな、

と感じました。

有名の ”ノルマンディー上陸作戦” もまたこのドイツの情報を解読、

逆手にとった戦略であったのですねぇ。

ちなみにノルマンディー上陸作戦を扱ったのが、

かの有名な『史上最大の作戦』、原題は『The Longest Day』です。みた?

 

これほどの世界的な功労者たちですが、国家機密であったため、公表されたのは最近です。

ラストでそのクレジットが出てきた時は、ジンときましたね。

 

 この事実を報せるためだけにでも、この映画はとても意義があったと思います。

 

さて、映画の話はここまでにして。

先の質問の答えにいきましょう。

 

 もしこの世に数学がなければどうなると思います?

 

答えは

 

 いまだ人類は原始的な生活をしています。

 

これは嘘や誇張ではなく真実です。

コンピューターだけではなく、建築や国を統治ための方法も、

実は数学的な知識、技術の一端なのです。

 

よく言葉が人を発展させたという話を聞きます。

ひとつの知恵が生まれてそれを仲間内で流行るということがあるでしょう。

でもそれはそこまでの範囲しか広がりません。

さらにそれを効率よく、効果的に広めるためにはルールが必要。

そのルールこそが数学の上に成り立っているんですよね。

 

ということで。

 

 ”この世から数学が無くなればいい!”

 

と思っている方は、原始的生活への回帰をおすすめします(笑)。

 

別に苦手でいいから、数学の恩恵を受けていればいいと思います。

ただ嫌いにならないで欲しいなって、私は思うんです。

 

 

 


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