こんばんは!🌃
前回と前々回、俗っぽい記事を書いて少しすっきりしました笑😅
また蘊蓄の記事を書こうかな、と思いましたが、蘊蓄の記事も、私は専門ではないので細部は間違っていることも多いと思います😭
まぁ、数少ない読者もそこんとこはわかってくれて頂けてると思うんですが、間違った情報ばかり発信するのも気がひけるので、たまにはお役立ち記事でも書いてみます😅
今回のテーマは
「風邪に抗生剤は果たして本当に必要か?」です。
みなさんも風邪をひいて近くのクリニックを受診した時、抗生剤を処方してもらった経験はないでしょうか?
え?あるって?
そうですか。
誠に残念ですが…
そのクリニックはヤブです。。
できれば別の病院へ行くことをオススメします😂😅😭笑
何故かって?
答えは単純明快だからです。
「風邪に抗生剤は必要ないから」です。
説明していきましょう。
●そもそも「風邪」とは?
風邪とは「急性上気道炎」のことです🦠。
「上気道」に「炎症」が起こるので、その標的は鼻、咽頭、気管などです🐽
このため、症状は発熱、鼻水、咽頭炎、咳、痰などです🤒
程度の差こそあれ、風邪はこれらの症状が同時期に同程度に出るのが典型的です。
あ、「典型的」と言ったのは、そうでない例もあたり前ですがあるからです。特に小児、高齢者は熱だけ、咳だけ、といったことも珍しくありません🤒😅
一方、下気道にまで炎症が及ぶと「肺炎」となって呼吸苦や胸痛などの症状が出てきます🫁
「風邪をこじらす」というのは、ある意味、風邪が肺炎にまで及んでしまう、ということですが一般的に「風邪」というと肺炎を来たしていない上気道炎のことです。
●風邪の原因
そしてここが重要なんですが、風邪をどうして起こすのかというと、風邪を引き起こす病原が体内に入ってしまうためです。
この病原はウイルスが90%で、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスなどがありますが多すぎて特定できません。
ただ、季節や流行状況によっては流行るウイルスは特定できることがあり、インフルエンザやコロナ、ヒトメタニューモなどは簡易抗原キットがあります。インフルエンザは抗ウイルス薬もありますね🤔
しかし、基本的にインフルエンザ以外はその特定のウイルスを殺す薬剤はありません。
発熱には解熱剤、咳には鎮咳剤、鼻水には抗ヒスタミン薬など対症療法を行うしかないのです。。
ええ!!?
それって大丈夫なの??💦と思う方もいるかもしれません。
ええ、まず大丈夫です。🙆♂️
免疫が弱い人や基礎疾患がある人などは、上記に書いたように稀に肺炎となることもありますが、それでも稀です。
そう、「風邪は何もしなくても自然に治る」のです。それだけウイルスというものは弱い病原であり、ヒトの免疫が勝ります😏
解熱剤とか咳止めとかをもらうのは、ただ症状がしんどいからもらうだけであって、別に薬を飲まなくても治るんです😅
●肺炎の原因
ところが肺炎に至ってはそうではありません。肺炎は、上記のようにウイルスが原因のこともありますが、まぁ一番多い原因は細菌です。
細菌感染症は、「放置すると死ぬ」病気です。
これは大変ですよね!!🥵
ええ、でも安心してください。肺炎は薬で治ります。
これを治すのが「抗生剤」です💊
抗生剤…という言い方すら本当は正しくはありません。「抗菌薬」と言わねばなりません。
そう、抗菌薬によって菌が殺されることによって病原を倒すことが可能なのです。
●抗菌薬の意味
…ここが大事なポイントです。
「抗菌薬」は「細菌(とかマイコプラズマとか細胞内寄生菌とか)」を殺す作用しかなく「ウイルス」を殺す作用はありません!!
そして、必ず薬には副作用があります!!
これは、抗菌薬の作用機序を知ればわかります。
抗菌薬は細胞壁を溶かすものや、細菌に特徴的なリボソームを壊すもの、細菌DNAを壊すものなどがあります。
一方、ウイルスは生物でないので細胞壁やリボソームを持ちませんし、細菌DNAも持ちません🦠
わかりましたか?
つまり、ウイルスがその原因のほとんどを占める「風邪」に細菌にしか効かないよう作られた「抗菌薬」を使用することは全く意味がないのです。😂
勝手に治りますしね。
いや、無意味どころか副作用等の観点から有害なのです。。
●抗菌薬のデメリット
抗菌薬を使うと、どのようなデメリットがあるかというと…
①下痢や皮疹などの副作用が出る
②コストがかかる
③耐性菌が生まれる
などです。
このうち②も医療費の逼迫という意味で重大な問題なのですが、もっと深刻なのは③です。
不要な抗菌薬投与により、市中にその抗菌薬に耐性ができる細菌が蔓延るのです。
つまり、これまでこの薬で治っていた肺炎とかの細菌感染症が、治らなくなってしまうのです。
この耐性菌によって死亡する人はシャレにならないくらい増えているのが今の医療の現状です。
つまり、抗菌薬を風邪に出すことは目の前の1人を救えるかもしれませんが(それでも①②の不利益が被るけども)、後ろの100万人を結果として殺すことになるのです。
極論ですが、強い言葉であえていいます。
あなたが風邪にかかってクリニックを受診します。抗生剤が処方されます。
そのクリニックの医者は、「人殺し」です。
…各方面から反論がありそうですが、私はそう思っています。
●抗菌薬投与の理由
じゃあ何故風邪に抗生剤を処方するのか?
様々な理由があると思いますが、思いつくのは以下です。
①医者が無知
話になりませんが、上記の知識さえ知らない、素人同然の医師が多いのも事実です。確かに医療の常識は数年ですぐに入れ替わり、昨日の常識が明日の異端ということは多いですが、ことこのテーマに至っては医師国家試験受からないレベルです。免許取上げていいと思ってます。
②医者は知識はあるけど、お金のことしか考えていない、またはやる気がない
ろくに診察もせず、処方の内容が既にルーチンできまっている場合があります。やる気ゼロです。①よりはマシかと思われるかもしれませんが同罪です。
または、わかってるけどあえて抗菌薬を出した方が、薬代が手に入るから処方する医者も多いと思います。開業は経営も大事ですからね。より罪深いと思います。
③風邪と肺炎の鑑別が難しい
肺炎はレントゲンで診断しますが、じゃあ全風邪の患者にレントゲンをとるかというと、それはX線の被曝やコストの問題があってナンセンスです。
ただ、前述したように特に高齢者や子供は風邪と肺炎の違いを症状だけで判断するのが困難なことがあります。
呼吸苦の訴え、SpO2の低下、聴診で肺雑音があったりすれば肺炎の可能性を疑いレントゲンをとりますが、これらが全てなくても肺炎だった、ということも中にはあることも事実です。
そういった時、経過が大切でして、全然症状が改善しないなどがあれば風邪でなく、その際再診し、肺炎と判断して抗菌薬を処方する…。
これが一般的ですが、肺炎を心配するあまり最初から抗菌薬をとりあえず処方するケースもあります。
この場合は仕方ない節もありますが、前述した通り抗菌薬処方のデメリットと、処方理由はきちんと患者に説明すべきです。
これをしてなければ、結局①②と変わりません。
④患者側の問題
一方、患者側に問題があることもあります。「風邪を治すのには抗生剤が必要」と思って譲らないケースです。こう考える患者は実は大勢いるのでいかに風邪に抗生剤が不要か説明しますが、「それでも欲しい」という人は、まぁ多いです。
そういう人に仕方なく医師が処方しているケースがあるのも現状です。
抗菌薬を希望する理由は様々ですが、最多の理由は「以前風邪をひいた時に抗生剤をもらって治ったから」です。
…違うんですよ!!
それは、抗生剤がなくとも勝手に治っただけです!
それか、その時は風邪でなく肺炎だったかです!!
こう言っても一度植えつけられた誤解は解くのは難しいのです😂😅😭
その意味においても、安易な抗菌薬投与は本当に罪深いことです。。
●話が長くなってしまいましたが、要点は以下です●
①風邪に抗菌薬は不要であり、有害であることあなた自身が知っておく
②風邪かな?と思いクリニックを受診した際、抗菌薬が処方されていれば、必ずその理由を尋ねる
③肺炎と鑑別ができないなど、妥当性のある理由がないのに処方されていれば、そのクリニックの医師は殺人鬼or金の亡者と考え、即刻病院を変える
です!!
なかなか実際には②や③は実行しにくいかもしれませんが、患者の権利ですので臆することなくやっていきましょう〜🏃
こうした小さな行動だけであなたの健康を守るだけでなく社会貢献に繋がります。😊✨
なかなか過激な記事でしたかね?😅
今日はこのへんで…👋
※補足※
インフルエンザ後の二次性細菌性肺炎や、小児の感冒後の細菌性中耳炎などは確かに頻度が多いですが(これも「風邪をこじらせる」に当たるのかな)、あくまで「合併症」でありただの「風邪」の段階で抗菌薬を処方することは私はやはり反対です。予防効果もありません。
③に書いた通り、しっかり患者さんにそういった合併症がおこるリスクを説明し、綿密なフォロー(再診とか電話連絡とか)をする方が重要だと考えます。
まぁあくまで私見です😅
※補足2※
今回は風邪の鑑別でわかりやすく細菌性肺炎を挙げましたが、溶連菌感染症や細菌性副鼻腔炎なども抗菌薬は必要かな、と言われてます。(軽症ではいらないという意見もある)
https://www.katoiin.info/blog/2019/10/post-50-704386.html