農園では今、シイタケを生やしています。
昨年の春植菌したもので、約1年間シリウスふぁーむ佐川農園の「憩いの森」
に寝かせていたもので、本当は今年の秋から使いたかったものですが、試験的に発生させてみました。
原木は「ナラ」の木で、高温品種の種ゴマを植菌してあります。
どうやって、シイタケを好きな時季に発生させるか・・・いずれお知らせします。
今回は「再会・・星の死」の完結です。
再会・・その4(完結)・・・星の死
「やはり新星だったろう?」
超新星発見に電話をかけに行っていた高田昌幸君に尋ねました・
「そうです・・・・」
彼は私の意に反して、弱々しく答えました
「それじゃあ、新星発見だな」
私は思わず時計を見ます。まだ午後9時を過ぎたところでした。
昨夜見たときには確かにその星はなかったし、発見の一番乗りはできないかもしれないが、相当早い時期の発見に違いありません。
もしかしたら「高田新星」として歴史に残るかも・・・・・しかし
「そうです。でも傑作ですね」
高田君は笑いながら言いました
「発見を知らせようにも東京天文台の電話がわからなかったので、家に電話したんです。何があったかと尋ねるので、大変だ新星発見だ!と言うと、そのことはたった今のニュースでやっていたというのです。ガックリきましたよ」
「そりゃあ残念だな・・」
「発見は昨夜ですよ」
「それじゃあ、まる一日遅かったと言うわけか」
「そういうことですねえ・・・」
彼はまだ興奮の覚めやらぬ目で、うらめしげに頭上に輝くその星を見つめていました。
その日私たちは新星発見の一番乗りはできなかったが、ある意味では大変な天界の異変に遭遇しているのだという感慨のため、写真を撮るでもなく、ただ茫然とそのい星を見上げるばかりでした。
もしも、あの星のそばに、私たちの地球に似た惑星があって、高等な生物がいたとしたら、かれらはその母なる星とともに今まさに、滅んでいるのだ。
母なる太陽が彼らを飲み込み、再び宇宙の「再生のるつぼ」の中に帰しているのです。
生と死の流転。生きている宇宙・・・・・まさに壮大なドラマが展開しているのです。
すぐに世界の天文台がこの星の観測を開始しました。この星が「超新星」ではないとの結論が出たのは、それから数日してからのことでした。
1975年・・・あれから37年の星霜を超えて、あののんびり屋の高田昌幸君が、帰ってきました。
お互いに歳はとりましたが、あの日のことはまるで昨日のことのようです。
夏の星座である白鳥座、夜がふけると東の空から昇ってきます。何事も無かったかのように・・・・
