浮気妻シリーズ[男と合う場所と時間]のつづき
浮気妻は車を降りると、まっすぐ駅に向かう。服装は、先ほどと変わらずに、デニムに上はカーキ色のジャケットだ。
この駅からは1時間ぐらいで桜木町駅につくので、少し早い気もするがどこかで時間を潰すつもりなのかもしれない。
とくに、警戒している様子もなく、普通に電車をホームで待っている。
『依頼者に連絡は桜木町駅でだな』
とにかく、桜木町駅に着くまでは1人での尾行。目を離せない。
『まったく警戒していないという事は、依頼者は浮気を疑っていることを悟られていないという証拠だ。やりやすい』
電車がホームに現れる。乗客が少ない。
『乗客が少ないな。これは隣の車両に乗り込むか』
乗客がある程度いれば、間違いなく同じ車両に乗るが、少なすぎると隣の車両に乗る場合もある。
『スマホをずっといじっているのがかろうじて見えているからこの場所で大丈夫だな』
途中の駅で乗客が増える。
『次の駅で浮気妻と同じ車両に乗ろう』
降りてすぐに隣のドアから再度乗り込む。浮気妻までの距離は2mもない。
『目を合わせないようにしないとな』
足だけひたすら俯き加減で見張る。
横浜駅に到着。ここで乗り換えて桜木町に向かうはず。
「プルルルル。どう、桜木町についた?」
先ほど別れた調査委任に確認を取る。
「まだです。あと10分ぐらいです」
「同じぐらいだね。安全運転で頼んます」
浮気妻は桜木町行の電車に乗車する。
『まっすぐ桜木町行、これは楽だな』
先回り班に連絡。
「プルルルル。桜木町駅下車、ランドマークタワー方向に進んでる」
「たぶん○○ホテルだと思う。男とはホテルで合流だと思う」
「了解」
『さてどんな男だ。男と合流してから依頼者に連絡だな』
浮気妻は○○ホテルに入った。先回り班の調査員を確認。目で合図する。
先回り班の調査員は浮気妻を確認したようだ。カメラをまわしているのがわかる。
探偵同士だとカメラを回してるのがわかるが、周囲の人は到底わからないだろう。
『よし、ここからはこちらは遠目で確認だな』
ロービーで待ち合わせだろうか。ソファーに座りスマホを操作している。
10分ぐらいして、1人の男がホテルのロビーに現れる。
『こいつっぽいな』カメラを起動させる。なぜかこいうときの勘はよく当たる。
『浮気妻と接触した間違いないこいつだ』
背丈は浮気妻より低い。かなり低い身長160センチぐらいか、体系は小太りというか太っている。白髪頭で50代後半ぐらい、スーツ姿の男。
モテるタイプではないのが一瞬見ただけでもわかる。
『チェックインはどうするんだ』
小太り男性が1人でチェックインカウンターでホテルの従業員に鍵を貰ってる。
『はい。1部屋に2人で入る事確定』
先回り班が先にエレベータの呼び出しボタンを押す。
『絶妙なタイミング。うまい』
さきにエレベータを呼んでる人に追跡されてるとは思わないものだ。
先回り班が、浮気妻と小太り男と一緒にエレベーターに乗り込む。
あとは任せる。
5分後先回り班が降りてきた。
「バッチリ撮れたよ。2人が同じ部屋に入るところまで完璧」
そこまで、撮れたのは100点だな。
「お疲れ様です」
依頼者に連絡する。
「プルルルル。もしもしあおしぐれ探偵事務所です。奥さんは今○○ホテルで男性と会って、そのまま同じ部屋に入りました。不貞の証拠として強いものです」
「そうですか。ありがとうございます。男はどんな人でしたか」
「写真がバッチリとれているので今メールで送りますね。確認したら折り返しください」
「わかりました。失礼します」
『顔のわかる写真は~と』
すぐにメールを送信
「プルルルル。はい」
「この男は分かります。○○会社の社員で名前は○○」
「そこまでわかっているなら男はこの後尾行しませんか」
「はい。これ以上やると追加料金ですよね。それならだれかわかっているので必要ないです」
「そうですか。では2人がロビーまたは駅で別れてところで調査を解除します」
「報告書はいつですか」
「来週ならいつでもいいですよ」
「それなら来週の月曜日にまた横浜駅19時でどうですか」
「承知いたしました。よろしくお願いします。失礼します」
それから3時間で2人はでてきた。ロビーで別れたところで1日目の調査は終了する。
つづく
1人で悩んでいても、不安がつのるばかりではありませんか。
勇気を出して相談しなければ、見えてこなこともあります。
これからを大切にするために一度ご相談ください。