"日々を淡く含んだきいろ"
いつも
きいろい花
僕のうまれた日の
少し前に咲くよ
細い樹の
細い枝から
どんな黄色も
見透かすような
春のこどもと
夏のカーテンと
秋の食事と
冬の空気を
淡く含んだ花が咲くよ
僕のうまれた日
冬の光が椅子に座り
扉の取っ手に雪
時計は溶けて
褪せたこはく色
風を受けて暮らす
からだの草を摘み取って
お粥に乗せて食べよう
それから
うまれた日の少し後に
きいろい花を見つけにいこう
地球儀を回そう
恋に渦まく言葉で
僕と君は巡る
太い樹の
太い枝に
乗って見渡すんだ
あちらこちら咲いてる
月と日の花びら
透かして満ちた
僕と君とみんな
僕はうまれた日
季節に近づいていく
ろうそくの灯が
気持ちを照らすんだ
きいろい花は
いろんな愛を見透かすような
日々を淡く含んで咲くよ