『WANDA/ワンダ』Wanda,1971,バーバラ・ローデン



ただただもうひたすらにカッコいい。カッコよすぎでしょう。BGMは全くない。それがまた一段とかっちょええのう。ルーズでザラザラしていて剥き出しのフィルムが無垢のまま目の前に転がっている。まるで三文小説のようなジャーナリスティックな散文性。所謂アメリカン・ニュー・シネマ的な反社会性や反体制を“売り”にしていない。だからこそ今観てもコッチの方がめっちゃくっちゃリアリティがある。

  予告編



  作品データ


※以下出典根拠映画ドットコム

監督
バーバラ・ローデン
脚本
バーバラ・ローデン
撮影
ニコラス・T・プロフェレス
編集
ニコラス・T・プロフェレス
制作協力
エリア・カザン
キャスト
バーバラ・ローデン、マイケル・ヒギンズ、ドロシー・シュペネス、ピーター・シュペネス、ジェローム・ティアー
原題
Wanda
製作年
1970年
製作国
アメリカ
配給
クレプスキュールフィルム
劇場公開日
2022年7月9日
上映時間
103分

  解説


アメリカの底辺社会の片隅に取り残された女性の姿を切実に描き、1970年ベネチア国際映画祭最優秀外国映画賞を受賞した、バーバラ・ローデン監督・脚本・主演のロードムービー。ペンシルベニア州のある炭鉱で、夫に離別されたワンダは、子どもも職も失い、有り金もすられてしまう。わずかなチャンスをすべて使い果たしてしまったワンダは、薄暗いバーである男と知り合う。ワンダはその傲慢な男と行動をともにし、いつの間にか犯罪の共犯者として逃避行をつづけることとなる。公開以降、アメリカではほぼ黙殺された作品だったが、2003年にイザベル・ユペールが本作の配給権を買い取りフランスで上映。07年にオリジナルのネガフィルムが発見され、10年にマーティン・スコセッシ監督が設立した映画保存運営組織ザ・フィルム・ファウンデーションとファッションブランドGUCCIの支援を受け、プリントが修復された。日本では22年に初の劇場公開。

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