『REVOLUTION+1完全版』2022，足立正生
漸く観ました。75分の完全版。横浜、名古屋、大阪の3か所でしかやってないんで仕方なく一番近いシネマスコーレへ。これ観るためだけの年末往復5時間。その間YouTubeで『活弁シネマ倶楽部』の3時間弱のゴダール入門編を聴きながらの往復道中。劇場に到着してみたら年末年始の休暇で客足がそこそこ復活していてめっちゃうれしい。
作品の印象はかなり真っ当な劇映画。シナリオ3日で上げたとか、国葬に合わせて50分の特別版を公開したとかで、早撮りのジャーナリスティックな即時性の高いドキュメンタリーに近いイデオロギッシュな作品を予想していたんですが、しっかり劇映画でした。しかも往年の若松プロの独特のテイストをサラリと残しておりました。
自己肯定感はもちろん最初の他者たる母親からほとんど肯定されることのなかった男の人生の勝負のカタチ。作品自体ホント勝負してるよなあ。雨降りっぱなし。
賛否あって然るべきでしょうけど、まずは観ましょう。
予告編
作品データ
※以下出典根拠映画ドットコム
監督
足立正生
脚本
井上淳一、足立正生
企画
足立正生、井上淳一
プロデューサー
加藤梅造、藤原恵美子
エグゼクティブプロデューサー
平野悠
撮影
高間賢治
照明
上保正道
美術
黒川通利
音響
藤林繁
編集
蛭田智子
音楽
大友良英
助監督
鎌田義孝、能登秀美
スチール
西垣内牧子
キャスティング
井上淳一
キャスト
タモト清嵐、岩崎聡子、高橋雄祐、紫木風太、前迫莉亜、森山みつき、イザベル矢野、木村知貴
製作年
2022年
製作国
日本
配給
太秦
上映時間
75分
解説
「赤軍派 PFLP 世界戦争宣言」「略称連続射殺魔」などの監督作で知られ、元日本赤軍メンバーという経歴を持つ映画監督の足立正生が、安倍晋三元首相の銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者をモデルに描いた作品。「連合赤軍 あさま山荘への道程（みち）」「止められるか、俺たちを」などに出演したタモト清嵐が、山上容疑者をモデルにした青年・川上哲也を演じ、主人公の川上が手製の銃で凶行に及ぶまでの人生を描く。
普通よりは裕福な家庭で、何不自由ない生活を送りながら育った川上哲也。しかし、仕事と人間関係に疲れ果てた父が自殺したことからすべては一変。兄は病に倒れ、妹は急な生活の変化に戸惑い反抗的になり、哲也自身も大学進学の道を断念せざるを得なくなる。母はすがるような思いで統一教会に入信し、父が残した財産も献金を繰り返してすべて失い、遂には自己破産をしてしまう。そのことで家族はバラバラになり、哲也はすべてを奪った元凶である統一教会への復讐を誓う。一時期、自衛隊にいたこともある哲也は、その経験をいかし、自室に閉じこもって改造拳銃を作り続けるが……。
脚本は「止められるか、俺たちを」の井上淳一と足立の共作。2022年7月8日に安倍元首相が銃撃されて死亡する事件が発生し、それからわずかな期間で脚本執筆から撮影、編集などが行われ、9月27日の日本武道館で行われた安倍元首相の国葬の日には、未完成版ながらも緊急上映されて大きな話題となった。2022年12月24日から完成版が一部劇場で先行上映、23年3月11日から全国順次公開。
