『シャドウプレイ【完全版】』風中有朶雨做的云,2019,ロウ・イエ



いつからこういうスタイルが流通するようになったのか。『L.A.コンフィデンシャル』辺りから?アメリカのTVドラマ辺りからか?ざく切りハードボイルドタッチを中国で。

香港じゃなくて上海発にはなってはいるけど限りなく香港フィルムノワールテイストを色濃く残存させる。ただし『ふたりの人魚』の進化発展形でもある。

まあここまで来ると言うことないね。時間軸とカット割とキャメラワークと照明。あとは成熟したエンタメを堪能すればいいと思う。物語の整合性とか伏線回収とかは、その辺が好きな人がやってください。

闘争はかつての映画王国香港から本土上海にシフトしていることを知らしめる一本でもある。【完全版】と銘打たれているのがその証左。香港益々悪化しているのではないのか?松本シネマセレクトと上田映劇ではいよいよ『理大囲城』が上映される。

蛇足ですが金子正次とかこーゆーのやりたかったんじゃないだろか?

必見!

  予告編


  作品データ


※以下出典根拠映画ドットコム

監督/ロウ・イエ
脚本/メイ・フォン、チウ・ユージエ、マー・インリー
撮影/ジェイク・ポロック
音楽/ヨハン・ヨハンソン、ヨナス・コルストロプ
キャスト/ジン・ボーラン、ソン・ジア、チン・ハオ、マー・スーチュン
ヌオ、チャン・ソンウェン、ミシェル・チェン、エディソン・チャン
原題/風中有朶雨做的云 The Shadow Play
製作年/2018年
製作国/中国
配給/アップリンク
上映時間/129分

  解説


「スプリング・フィーバー」「天安門、恋人たち」のロウ・イエ監督が、天安門事件が起こった1989年を起点に、社会主義市場経済が押し進められ激変する中国の30年間と、香港・台湾との離れがたい関係を、ある家族の姿を通して描いたクライムサスペンス。

2013年、広州の再開発地区で立ち退き賠償をめぐって住民の暴動が起こり、開発責任者のタンが屋上から転落死する。事故か他殺か、捜査に乗り出した若手刑事のヤンは、捜査線上に浮かぶ不動産開発会社の社長ジャンの過去をたどる。その過程で、ジャンのビジネスパートナーだった台湾人アユンの失踪事件が見えてくる。転落死と失踪、2つの事件の根本は、ジャンと死亡したタン、タンの妻のリンが出会った1989年にあった。

刑事ヤンに中国の人気俳優ジン・ボーラン、野心家の不動産会社社長ジャンにロウ・イエ組常連のチン・ハオ、夫のタンを失ったリン役に「SHOCK WAVE ショック・ウェイブ 爆弾処理班」のソン・ジア。中国当局の検閲によりカットせざるを得なかったシーンを加えた129分の完全版には、香港の人気俳優エディソン・チャンの出演シーンも含まれる。日本では2019年・第20回東京フィルメックスのオープニングでカットされたバージョンが上映され、2022年に「完全版」で劇場公開。

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