『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』 Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One,2023,クリストファー・マッカリー



なんちゅーこっちゃ、こいつぁ〜オモロ過ぎるやろ。今年1、2を争う大傑作!気持ち良過ぎでしょう。ほとんど映画の全てが詰め込まれている。惜しむらくは『ロストケア』同様、尺長過ぎ。90分とは言いませんが、タラタラとくだらない会話が続く室内劇の全てのシークエンスを全カットして、せめて120分を切ったら“世紀の”大傑作になったのに。全くもって惜しいことでした。

それではこの作品、一体何をどう語れば良いのでしょうか。

それはたった一つしかありません。

それは、走るトム・クルーズ

走るトム・クルーズの素晴らしさだけを語っていれば良いのです。彼のその運動性、極めて映画的であり、言葉の真の意味でアクションを体現していて、キャメラがフィルムに定着させた彼の美しい運動の全て、それを人は映画と呼ぶのです。

バスター・キートンから始まるアクション俳優の系譜。正統なる嫡子に納まるのは、(中共の犬に成り下がる前の)往年のジャッキー・チェンだけではなかったのです。トム・クルーズがいてくれたのです、ハリウッドには!因みに幸運にも日本でも伊澤彩織を持つことができました。

後はもうもうもう(会話劇を除外すれば)見どころだらけの大傑作です。乗り物、出まくり!快楽の極地!

この作品、ぜひぜひぜひ劇場で!!!

最後に蛇足です。私の批評する時の判断基準について明記しておきます。このミッション:インポッシブルシリーズ、これまでの全シリーズ中、私は今回この作品が初見。掛け値無しで、なんの予備知識もなく、初めて鑑賞しました。そして激烈面白かった!これと対照的な体験は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。鑑賞当時どこが面白いのか、トントわからず、駄作だと思いましたし、今もそう思っています。その理由のひとつは、せっかく“列車”という実に映画的空間をメインの舞台に設定しているにもかかわらず十分にそれを活かし切れず、不完全燃焼に終わっていたからです。そのように率直に書いてレヴュウ投稿させていただきました。その後私のレヴュウに対して、この『鬼滅の刃』はシリーズ作品であり、漫画やTVシリーズなどのコンテンツを鑑賞した上でなければ、この作品の“本当の”面白さはわからないというコメントを多くいただきました。しかしながら私は今回このM:Iシリーズを初見して、私には私の判断基準があるということを確信しました。他の方は知らないけれど、私自身は作品の伏線だの予備知識だのに関係無く「作品単体」を鑑賞してその作品を判断したい、判断すべきだと思っています。もちろん予備知識が豊富であれば作品理解は深まるでしょう。しかしその反面、予備知識なるものが邪魔をしてその作品だけが持っている輝きを見落としがちになってもしまいます。ましてやそういう予備知識が無ければ、その作品の質を判断できないのだとすれば、それこそその批評にはどこか不健全なものを温存させてしまうリスクを纏うと考えます。つい長くなってしまいましたが私の批評する判断基準について明記しておきます。

  予告編


  作品データ


※以下出典根拠映画ドットコム

監督/クリストファー・マッカリー
製作/トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー
製作総指揮/デビッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ドン・グレンジャー、トミー・ゴームリー
原作/ブルース・ゲラー
脚本/クリストファー・マッカリー、エリック・ジェンドレセン
撮影/フレイザー・タガート
美術/ゲイリー・フリーマン
衣装/ジル・テイラー
編集/エディ・ハミルトン
音楽/ローン・バルフェ
テーマ曲/ラロ・シフリン
キャスト/トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ビング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、バネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、マリエラ・ガリガ、ユージーン・キットリッジ、グレッグ・ターザン・デイビス、チャールズ・パーネル、フレデリック・シュミット、ケイリー・エルウィズ、マーク・ゲイティス、インディラ・バルマ、ロブ・ディレイニー
原題/Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One
製作年/2023年
製作国/アメリカ
配給/東和ピクチャーズ
上映時間/164分

  解説


トム・クルーズの代名詞で、世界的人気を誇るスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第7作。シリーズ初の2部作となり、イーサン・ハントの過去から現在までの旅路の果てに待ち受ける運命を描く。タイトルの「デッドレコニング(Dead Reckoning)」は「推測航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指す。

IMFのエージェント、イーサン・ハントに、新たなミッションが課される。それは、全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出すというものだった。しかし、そんなイーサンに、IMF所属以前の彼の過去を知るある男が迫り、世界各地で命を懸けた攻防を繰り広げることになる。今回のミッションはいかなる犠牲を払ってでも達成せねばならず、イーサンは仲間のためにも決断を迫られることになる。

シリーズを通して数々の命懸けのスタントをこなしてきたトム・クルーズは、今作ではノルウェーの山々に囲まれた断崖絶壁からバイクで空中にダイブするアクションシーンを披露。共演はサイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ビング・レイムス、バネッサ・カービーらに加え、第1作に登場したユージーン・キットリッジ役のヘンリー・ツェーニーもカムバック。「キャプテン・アメリカ」シリーズのヘイリー・アトウェル、人気刑事ドラマ「NYPDブルー」のイーサイ・モラレス、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのポム・クレメンティエフらが新たに参加した。監督・脚本は「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」以降のシリーズを手がけているクリストファー・マッカリー。

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