『いつか読書する日』。


映画的記号群。


いや映画に対する底知れない偏愛に満ち満ちている。


映画と言うおもちゃ箱をひっくり返してみるときっとこんな感じ。


不思議なもので、それにもかかわらず、品格を感じさせる。



自転車。


文字。


早朝の牛乳配達。


時間軸。


自転車の二人乗り。


坂。


坂道。


もうこれだけで映画じゃないですか。



バスと自転車の追いかけっこ。


牛乳瓶と置き手紙。


異人の住む館。


いきなりのサスペンス。


もっと続けよう。



文字文字文字。


音楽の使い方。


女が向かう。


鏡と化粧。


まるで死化粧。


怖い。



石階段。


遠雷。


ここでダイアローグ!


しかも雨!


夜半の結構激しめの雨が降る


初老に近いカップル。


人知れず紡がれた愛の形とセックス。



川。


橋。


川の流れ。


袂の群衆と駐車する救急車。


サスペンスと大人の童話。


静かで淡々としながら流れてゆく時間というもの。



以上、この作品のほんのほんの一部です。


映画とはなんと豊かなものなのかを再認識させてくれる。


必見です。



以下出典根拠Wikipedia


監督/緒方明

脚本/青木研次

音楽/池辺晋一郎

撮影/笠松則通

編集/矢船陽介

出演/田中裕子 岸部一徳 仁科亜季子 渡辺美佐子 上田耕一 香川照之 杉本哲太 鈴木砂羽 左右田一平ほか

2005年日本



あらすじ

幼い頃に父と死別し青春時代に母も失った大場美奈子は、未郷の町で未婚のまま50歳を迎え、早朝の牛乳配達と昼間のスーパーのレジ係で生計を立てている。