『馬を放つ』。

またまたキルギス映画。

またまたクバト(アブディリカコフ)監督。

以前アップした『あの娘と自転車に乗って』(1998年)から19年。

映画的に洗練はされました。

馬が出てくる。

馬と一緒に川を渡る。

もうもうこれだけで、観る方はウエスタン映画の記憶を辿らずにはいられない。


乾燥地帯のオアシス。

埃っぽい風が遮蔽物もなく吹き抜ける。

幹線道路沿いのお土産物や特産物の売店。

吊り橋、草原、室内から野外への扉、牧場、占い師の家、女の家への一本道、等々の映画的風景には事欠かない。

宗教的には、土着のシャーマニズムのほか、モスリム、ロシア正教、密教系などのハイブリッドと思われる。


土着信仰の精霊の復活と人馬一体。

馬はいまだ生活の一部であり、財産=富の象徴。

宗教心のプロトタイプへの憧憬。

吊り橋がいいです。

奥さんがいいです。

暗い室内がいいです。

もちろんオールロケ。

近代国家とフォークロア。

ぜひご覧ください。


以下出典根拠映画ドットコム

監督/アクタン・アリム・クバト
脚本/アクタン・アリム・クバト エルネスト・アブドジャパロフ
製作/アルタナイ・コイチュマノバほか
撮影/ハッサン・キディラリエフ
美術/アディス・サイタリエブ
衣装/イナラ・アブディーバ
編集/ピーター・マルコビッチ
音楽/アンドレ・マタイアス
出演/アクタン・アリム・クバト ヌラリー・トゥルサンコジョフ ザレマ・アサナリバほか


あらすじ
中央アジアに位置する美しい国キルギス。村人たちから「ケンタウロス」と呼ばれる寡黙な男は、妻と息子と3人で慎ましい生活を送っている。