青年の母マリアが彼を孕ったとき、許嫁のヨセフは怪しんでマリアを拒絶したのだった。
だがやがてヨセフは苦しい葛藤に苛まれた末、身重のマリアを受け入れ、母子ともども祝福した。 マリアにどんなことがあったのかは知らない。しかし弱き身重のマリアはどこに行くあてもなかったのだ。
ヨセフの行いは誠実な男の鑑としていつの時代の人々にも感銘を与えた。
このヨセフの人として美しい愛のきらめきを、神や天使などの栄光とすり替えてはいけない。どうしてもそれらを欲するなら、人として柔弱であって、いま一度みずからの心の鼓動を聞きなおして見るが良かろう。