2024年5月26日(日)小満の頃
2024年5月26日午後2時30分頃
ドラゴンアイを見に八幡平に行ってきました。
古来より奥羽山脈の八幡平と岩手山にはそれぞれ龍と大鷲が住んでいると言われていました。
岩手山の大鷲は山頂付近に現れる雪形で、初冬と早春に麓の盛岡から居ながらにして望見できるので平地人にも親しいものでしたが、八幡平の龍となると情報も少なく、一般的には雪と雲の果ての伝説のようなものでした。
早春と初冬に現れる岩手山山頂直下に現れる鷲の雪形
それが比較的最近になってドラゴンアイとして紹介され、その場所も山頂直下のレストハウスからほど近く、トレッキングの「トレッ」ぐらいの距離というので年々その時期の風物詩として岩手のみならず日本、そして諸外国にも知られるようになりました。
この日は日曜日なのでたくさんの人々が訪れていました。東洋人や欧米人も多くいてかなり国際的です。
東洋人には今年は辰年でまさしくドラゴンですね。
欧米人にとっても東アジアの時間は、還暦という60年で回る時間の概念が、彼らにとっては新しく不思議な感慨を齎すに違いありません。
午後2時30分頃 自然のすることは計り知れません。
さらに12年で巡る干支はそれぞれの年に守り神のような動物がいて、その中の一つが伝説の神仙の巨大な龍、ドラゴンなのですからこの世界観は何というワンダーランドでしょう。
そう!自由で知的な欧米人にはこの日本は素晴らしいワンダーランドです。あるいは宮澤賢治に倣えばここはドリームランド日本岩手県なのです。*1
ポケモンはこれがヒントでしょうか?
さて今年の甲辰(きのえたつ)は辰年としてはその60年循環の最初の甲の年です。
甲は十干の甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の甲でそれぞれ1から10を表します。これと十二支を組み合わせて十干十二支(じっかんじゅうにし)というそうです。
Kanwakyudai
山頂直下レストハウスの駐車場(500円)からアスピーテラインを横断して立派な案内板の脇から石畳の道を緩やかに登ります。
レストハウスの駐車場
100台以上は駐車できると思います。
「トレッ」コース入口のコースガイド
岩手山の遠望
密かな人気の畚岳(もっこだけ)
オオシラビソの森の中の石畳の道
わずか5分ほど歩くと分岐が。左にドラゴンアイヘの道を下るとすぐに登りとなり雪道になります。
ミヤマスミレ
ドラゴンアイと山頂分岐点のコースガイド
明るいタンネの森
滑らない靴と杖あるいはストックがあると安心です。短靴でも足が濡れることはありません。
山頂直下標高約1600m 5月26日のふきのとう
残雪のタンネの森
強風で枯れたオオシラビソのタンネの森の山道を10分くらい登ると林縁の展望台が見えてきます。
隻眼に花を添える高嶺ザクラ
いよいよドラゴンアイの展望台です。
展望台から。展望台といっても広くなった道端
実はこの日アスピーテラインには2〜3キロの渋滞が発生していました。
ドラゴンアイを見終わって藤七温泉に行こうとして反対の道を下山してきた方をお乗せしてドラゴンアイの現況をお聞きすると、渋滞は午前中から続いていたそうです。
果たしてレストハウスで駐車できるかとても心配でしたが、その方をレストハウスに送り届けるためにも渋滞に身をまかせました。
レストハウスの駐車場はトレッキング客だけなので30〜40分ごとに出入りがあり、案外回転が良く2〜3キロ渋滞していても必ず駐車できるようです。
その方はレストハウス発午後2時のバスで盛岡経由新幹線で横浜にお帰りになるので時間に間に合うか少々やきもきしましたが、何とか間に合う時間にレストハウスに着くことができました。
山頂直下にきたのが午後でしたので雪の状態が不安でしたが、その方からからお聞きすると午前中は薄い氷雪に覆われて青い目は見えなかったそうで、遅いからといってどこに幸いがあるかわかりません。新しい体験には予断と悲観は禁物ですね。
そういえばこの数日平地でも霜注意報が出ていて、途中立ち寄った八幡平山裾の独活の群生地でも、独活はおろかイタドリも全部霜にやられて茶色いモンスター🧌のようになっていました。
ですから山頂部のドラゴンアイにはなおさら厚い霜が降りたのでしょう。その方にはお気の毒でした。でもドラゴンアイには数回お越しになられているそうで、昨年の6月8日に撮られたデジカメの画像ではちゃんと眼は開いていました。
午後2時30分頃。北緯39度57分28秒
小満は二十四節気のひとつで、5月21日から次の節気芒種の前日の6月4日までの時季のことです。
満ち溢れる光の中で万物は生成し生命力の漲る時です。寒くもなく暑くもない、花は咲き鳥は歌う。
きっと天国はこの時季が永遠に続く所ですね。
帰路、田沢湖への途中の後生掛温泉にて標高1000m
*1 ドリームランド日本岩手県