3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1767
ナイス数:176

無垢の領域無垢の領域感想
純香と信雄の林原兄妹のビジュアルを、妄想しつつ読んだ。信雄は一生さんで決まり、純香は? 彼女の圧倒的才能とともに自身に惹かれてしまう、秋津の芸術家の性(さが) でも芸術家は、支える普通の感覚を持つ人がいてこそ。信雄と秋津伶子が惹かれ合うのも、自然に思える。怖いのは、秋津の母! そして禁じ手を使ってしまう秋津の哀しさ。純香の死も含め、面白かったが 救われなさすぎる結末だった。
読了日:03月03日 著者:桜木 紫乃


極楽征夷大将軍極楽征夷大将軍感想
31年前の大河「太平記」のシーンを思い出しつつ読み、色んな気付きもできてよかった。よく言えば天衣無縫?の新たな尊氏像が魅力的だが、周りはいい迷惑。直義や師直も、巻き込まれ、そうせざるを得なかった感も。「世に最も恐るべきは悪人に非ず、己の正義を譲らぬ頑固者である」支え続けたあげく悪人になってしまう二人、不条理。そして悲劇のヒーロー直冬(涙 大河では筒井さん)二人の犠牲を得て成長した尊氏、残ったものが勝つ道理。全編を通して、熱い兄弟愛の物語だった。549p長いけど読んでよかった(端折りもしたが)
読了日:03月13日 著者:垣根 涼介


襷がけの二人襷がけの二人感想
直木賞候補作にふさわしい、清々しい感動をもらえた作品。三味線の師匠宅の住み込み女中・千代とあるじ初衣には、知られざるつながりが・・・かつては裕福な家の奥様と、女中頭。立場も年齢も越え 家族や友人のような信頼関係を築いていく。のんびりやの千代と粋な初衣の名コンビで、暗い時代も工夫し少しでも楽しむ様子が好ましい。体の秘密や芸者時代の瑕を抱え、辛い別れや空襲を経て再会した二人が、最後まで前を向いているのに力をもらえる。美味しそうな料理の数々や家事をこなす描写に、あの時代の女性の素晴らしさ力強さを感じた。☆4.5
読了日:03月21日 著者:嶋津 輝


魔女と過ごした七日間魔女と過ごした七日間感想
シリーズ3作目の主人公は、元刑事の父親を亡くした中3男子。偶然知り合った円華に惹かれ? 導かれるように前向きに 父親の死の疑惑を晴らそうと努める。 「プラチナデータ」の頃はまさにフィクションだった、個人番号カード。利点もあるが、管理・悪用されたら?まさかの国に。さらにそれがDNA型データベースまで進めば!? 心配だが、犯人逮捕や移植適合ができれば、とも思える。 陸真と純也の親友コンビ(純也いい味出してる)と、相変わらずの円華のカッコよさに、ページも進む。シリーズ中一番読みやすさらっと感動できた作品。☆4
読了日:03月27日 著者:東野 圭吾


古事記 (コミックストーリーわたしたちの古典 新装版 1)古事記 (コミックストーリーわたしたちの古典 新装版 1)感想
昔習った当時もほぼ覚えられなかった内容、新鮮に読めた。ちょうどNHKの番組もあり、いっそう興味深かった。ダイナミックな神々、ドラゴンボールばりに面白い。そして、声掛けして数十年忘れるという、鬼の所業、神なのに。
読了日:03月31日 著者:柳川 創造

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