地獄の同窓会終了 | 立川志らくのブログ

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千秋楽無事終わりました。稽古に初めて参加した時は正直頭を抱えてしまいました。全く私の描きたい世界が表現出来ていないと。しかしわずかな間によくぞここまで進化出来たと感動しています。稽古の当初は私は新しい役者を信じていなかったし、新しい役者も私を信じていなかったと思う。でも本番での拍手を浴びて、そしてお客様の賛辞の言葉を耳にして役者は私を信じてくれたはず。私の脚本を表現出来れば必ず良い拍手をもらえるからと役者の前で宣言しました。もしブーイングを受けたらその時は志らくを軽蔑すればよいと言いました。
演出家からすると、顔すら満足に覚えられなかった役者達だったのが、各々の力量がなんとなく分かり、本番になってからは役に魂が入り込み、後半の2ステージでは私の想像を超える出来となり、役者全員がいとおしくなり、涙が流れました。ただ残念だったのは彼らとの付き合いがあまりに短かったこと。あと二週間、いや一週間あったら、彼らの引き出しを増やせてあげれたのに。それは言い訳。時間のせいにしているだけ。現時点での私の力量不足です。
それでもこの芝居は良い芝居だったと思う。新しい役者の中で私が興味を持ったのはウェイター役の金田くん。彼は自分の芝居に満足していない。自分がいかに駄目かと悩んでいる。だから魅力があるのだ。若い役者が己の芝居に満足したり酔いしれていたりしたら見ていられない。毎度言うが、己を否定出来た者だけが進化出来る。彼はこの芝居でもがき苦しんでいた。だからどんどん進化していた。あのオープニングの不気味な歩き、アイアン王子を見つめるスットンキョな表情、ラストの暗転間際の笑顔、彼が苦しみの中から作り出したものだ。私の演出ではない。次回のダニーローズに抜擢します。
オーナー妻の花村さんのラストの表情も良かった。ヒロインの酒井莉加との見せ場のくいあい。全ての場面の中で一番好きな場面でした。
地獄の同窓会はこれにて終了だが、形を変えて必ずやまたこの同窓会は開催します。その節は案内状を出しますね。