週刊じんぎかん〜神祇伯の神社放浪記〜

週刊じんぎかん〜神祇伯の神社放浪記〜

ただの神社好きが参拝した神社の感想なんかを感情の赴くままに書いてます。あと長文です。
一応毎週日曜に更新しますがたまに長らく投稿しない時があります。なので「あ、更新してるわ見てやるか」な軽ーい気分で読んでください。
どうぞよろしくお願いします。


こんにちは、わたしです。

 

大体の地方で梅雨明けと、先週から今週にかけて各地で祭りが行われている時期になりましたね。

 

農業において田植えをも終わって雨も降って、

 

小休止という時期になったこの頃に、

 

全国的に夏祭りが行われる傾向にあります。

 

という中で今回も一つのお祭りを観に行ってきたので、

 

ご紹介したいと思います。

 

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  ​気比神宮 総参祭

 
気比神宮については過去に投稿してましたので、
 
ぜひそちらもチェック下矢印

 

 

 

 

 

さて今回ご紹介するのは7月22日に行われる総参祭です。

 

気比神宮は仲哀天皇さまと神功皇后さまが三韓征伐の前に祈願に来た伝承があり、

 

その故事になぞらえた特殊神事がいくつもあり、

 

総参祭もその一つに数えられています

 

その中でも特徴的なのが、敦賀湾の対岸にある奥宮の常宮神社の方へ御祭神が海上渡御を行うことです。

 

神功皇后さまが仲哀天皇さまの命によってここ敦賀から穴門国(現在の山口県)へ海路を使って向かった故事に由来しており、

 

ここでは気比神宮の仲哀天皇さまが常宮神社にいる神功皇后さまの下へ会いに行く祭りとされています。

 

出向く御祭神が逆転しているのは、常宮神社の方に神功皇后さまが滞在なさっていたことに由来しているようです。

 

こうした男女の神様が1年に一度逢瀬のために移動する点から、

 

たなばた祭り」とも呼ばれており、これが今回の題名の由来です。

 

別に擦るつもりはなかったんですけどね!!!

人は多く…ないような気もしませんが、

 

外国人が結構います。

 

観光客っぽいですが、どこから来てるのか…

 

今日の祭りを観に来ていたのなら、なかなかでしょうね。

 

さてそんな人だかりのできている拝殿を覗いてみると、

 

氏子総代さんたちがお祓いを受けていました。

 

10時から神前での神事が始まっていまして、

 

どうにか間に合ったようです。

 

 

メディアも入っていますね。ネットだと中日新聞なんかが取り上げてますが、

 

地元の地上波のニュースで流れていたりしたのでしょうか。

 

 

 

 

こちらの舟神輿に神様のお御霊を載せて巡幸します。

 

前日に寅神祭という神事奉遷の祭りを行っておき、

 

当日にはその舟神輿が中央にドーンと鎮座してる形になります。

 

そして宮司さんによって舟神輿と氏子さんへ巨大な御幣を掲げられます。

 

この神事はなんと呼べばいいんでしょうね・・・

 

けっこうやっている神社はあるんですけども。

 

玉串奉奠と撤饌を行い、宮司さんのあいさつをして神事は終了。

 

続いてはいよいよ神輿が発御します・・・!

 

 賽銭箱を外したり中央を開け始め、

 

発御の準備をし始めます。

 

 

 

 旗持ちと太鼓持ちが先に外に出てきて、

 

しばらくすると…

 

 大麻を持った神主さんが先導して、

 

舟神輿が出てきました!!

 

 

 

 

 先導の大麻諸役の神主さん、

 

そして舟神輿を担ぐ白丁姿の男衆のみなさん、

 

そして宮司さんと典儀役の神主さん、巫女さんが一名ついてきます。

 

 

 

 拝殿前の二の鳥居を出た後、

 

大鳥居とは反対側の方へ向かっていきます。

 

 

 

 

 その道中には出発を応援するかのように、

 

大太鼓の楽人たちが太鼓を打ち鳴らしながら見送っていきました。

 

よく見るとみんな女の子ですね。

 

他の祭典でも活躍してるんでしょうか?

 

 大鳥居側の参道ではなく、

 

東の参道から出ていくのは、こちらが元々の表参道だったことに起因するのでしょうか?

 

 

 

 このあとは敦賀湾の港まで巡幸していきます。

 

先頭近くを歩く太鼓の音を聞いて、

 

近隣の住民の皆さんは見送りに玄関へ出てきます。

 

 そうして出てこられた方にはお菓子を配っておられました。

 

こちらがそのお菓子。名前はそのまま「舟神輿」といいます。

 

ついていくだけだった我々もいただきましたお願い

 

 大体30分近くの道のりになります。

 

地図上で見るとそんなに遠いわけではありませんが、

 

歩いてみると結構かかります。

 

それにしても今日がほんとにいい天気でよかったですね。

 

暑すぎるくらいです。というか暑い!!

 

雨でもお渡りはするのでしょうけど、なにより道中が大変そうです。

 

 そんなこんなで敦賀湾に到着。

 

海上には吹き流しの取り付けられた船が停泊しています。

 

 

 

 

 白丁の氏子さんたちが船の中央に船神輿を下ろしていき、

 

みなさん乗り込んでいきます。

 

気比神宮から来ていた行列は全員乗り込みます。

 

舟神輿の乗っている船には神主さんと氏子さん、

 

そして道中雅楽を演奏していた楽人たちが乗り込みます。

 

ちなみにですが白丁の方々を氏子さんと呼んではいますが、

 

このお祭りの趣旨としては海上安全と大漁満足を願う祭りであるため、

 

舟神輿を担ぐ方々は漁師さんなんだそうです。

 

なんでもこの祭りに奉祀すると向こう3年は豊漁になると言い伝えられてるんだとか。

 

それに際して、この敦賀湾は祭典日の3日前から潔斎を兼ねてか禁漁となるらしいです。

 

wikiの内容なので今はこの通りではないかもしれませんが。

 

 

 

裃姿の総代さんたちは向かいの船に別れて乗り込みまして、

 いざ出航!!!!

 

 雅楽の演奏が聞こえる中海上渡御していきました。

 

ちなみに今回は現れませんでしたが、過去には海上自衛隊の護衛艦が見送りに出て…来てたのか?

 

単純に偶然だったのかもしれません。

 

ということで気比神宮からの渡御はここまで。

 

ここから私は車に乗って常宮神社へ先回りです。

 

ということで場所は変わって常宮神社です。

 

こちらはすでに境内の駐車場はいっぱいになっており、

 

どうにかかろうじて駐車ができました。

 

 

 

 

参道途中の舞殿では日本舞踊らしきものが奉納されており、

 

気比神宮の行列を今か今かと待っています。

 

 

 
 
拝殿の方は木階に献酒が置かれ、
 
左手には楽太鼓があります。
 
というのも常宮神社においては今日が例祭であり、
 
その延長上で気比神宮からのお渡りを迎える形になります。
 
通常であれば中央しか開いていない扉ですが、
 
祭礼のため両側の瞳戸が開いています。
 
しかもその瞳戸の裏には何かの鳥の絵が描かれています。
 

 

 

 さて引き続き日本舞踊が舞われている中、

 

常宮神社の氏子さんたちがソワソワし始めました。

 

 

 沖を見ると吹き流しと日の丸を掲げた船の姿が!!

 

気比神宮の行列が見えてきました。

 

 氏子さんたちは海沿いに降り立ち、

 

来ていた地元の人たちも上陸を心待ちにしています。

 

 毎年の祭事であるため、神社の延長線上に船着場がもうけられています。

 

ここの雅楽を演奏しながら船が近づいていくのはとても風情があります。

 

少し規模が違いますがド派手な演奏を伴った凱旋のパレードをイメージしてもらえたら。

 

かなり厳かではありますけどね。

 

 

 対岸での行列同様に、旗持ちと太鼓持ちを先導に形成されて行きます。

 

こちらに到着するまで約40分の船旅となりました。

 

ちなみに車で向かうと15分くらいで着くので余裕で間に合います。

 

 

 行列は一度車道を渡って一の鳥居からちゃんと入り直して入御していきます。

 

 気比神宮の氏子総代さんと常宮神社の総代さんと合流して一番長い列になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに社殿は到着!!

 

左手に気比神宮の神主さん、右手に常宮神社の神主さんが

 

対面する形で自座につきます。

 

 

 総参祭の次第は気比神宮が主に行うようで、

 

ついてきていた典儀の方が引き続き担当します。

 

ちなみに気比神宮の宮司さんは斎服、常宮神社の宮司さんは衣冠装束をそれぞれつけています。

 

例祭から引き続き行うからですね。

 

 カメラとかも3台くらい入ってます。

 

あとの話ですが氏子総代さんもインタビューを受けていましたので、

 

地元メディアが取り上げるくらいにはお馴染みの祭事のようですね。

 

個人的にはもっとネットの方で取り上げてくれてもいいんですけどね。

 

ローカルな神社の祭事は神幸祭くらいの大きいものでしか出てこないので、

 

常々もったいないなぁと思いますよね。

 

 

 

 

 

 

 修祓の後に船神輿にてお越しになった神様を

 

神前の自座の方へお移りになります。

 

写真のように神主さんが擬似衣垣の形をとっているのが分かるかと思います。

 

 

 

 献饌が意外にも陪膳役を常宮の禰宜さんが担当し、

 

途中の手長は氏子総代さんたちがスーツのまま運んできて、

 

そのまま手渡しでお供えしていきます。

 

 祝詞は気比神宮の宮司さんが奏上されます。

 

こちらまでの渡御の挨拶を含めてでしょうか。

 

ちなみにですが気比神宮と常宮神社は口の宮と奥の宮という関係で、

 

気比神宮は気比神社、常宮神社は天八百万比咩神社の論社として、

 

両社とも延喜式神名帳に記載のある式内社とされています。

 

前述の通り仲哀天皇さまが神功皇后さまにお会いする祭りとなっていますが、

 

こちらの神名帳に則るのであれば、気比神宮の本来の主祭神である伊奢沙別命

 

常宮神社本来の天八百万比咩命さまの逢瀬の祭りとする説があります笑い

 

確かにこちらだと伊奢沙別命さまが男女どちらの神格かは定かではありませんが、

 

天八百万比咩命さまは「比咩」である以上女神である可能性が高いので、

 

こちらの節の方が正しくも感じますねキラキラ

 

 参列者玉串になり両者の氏子総代さんが拝礼し、

 

先程の写真で出てきた背中に「大漁」と書かれた方々も名前が読み上げられるのですが、

 

敦賀市氏子総代会

 

敦賀水産振興協会

 

福井県漁業協同組合敦賀支店

 

などなど、氏子総代の枠を飛び出した方々の名前が上がっておりました。

 

やはり大漁満足のお祭り、ひいてはその参列者も神徳に預かるべき方々がいらっしゃるようですお願い

 

 と、そんなこんなで祭典は終了。

 

両者の神主さんたちがご挨拶なさって締められました。

 

このあと15時までの約4時間くらい滞在し、

 

後ほど気比神宮に戻ってゆきます。

 

 

先程の舞殿で昼食を兼ねて直会です。

 

海の上とはいえ炎天下だったのは変わらなかったはずです。

 

暫しの休憩となりました…

 

 若干出遅れたァァァァァァァァァァァァ

 

他所の式内社を巡ったあとに15時の30分くらい前に帰ってきたのですが、

 

帰りの行列が出発しているところでした。

 

あっぶねぇ…

 

 同じように一の鳥居から出たあと車道のそばを通って港へ向かいます。

 

 帰りには常宮の神主さんたちも見送りに来られています。

 

宮司さんも一回祭りを締めたあとなためか、

 

よりラフな狩衣姿になっています。ワイは見逃さへんで。

 

そういえば狩衣・浄衣をジャージ、直垂を作業着、格衣をパーカー

 

各装束を当時のお貴族さんたちの扱いな形で呼んでいた友人は元気でしょうか。

 

うん、さっきまで連絡取ってたので元気みたいです。

 

これ面白くてずっと覚えてるんですよね。

 

 

 

 さぁ無事に神様と人とちゃんと乗り込んでいざ出航!!!

 

また来年、ですね。

 

 

 このアングル最高じゃないですか?

 

 

 少し高台にある舞殿から船を見送る方々も。

 

 さぁということで先ほどはどちらも港で入港出港を見届けておりましたが、

 

お昼間超あっついので敦賀港側の帰りの入港は諦め、

 

気比神宮にてお待ち申し上げておりました。

 

 そうこうしてると無事にお帰りになりました。

 

大体到着までで16時前くらいです。

 

 

 なんとなく写真で見ていると察された方もいるかと思いますが、

 

この祭りの行列等々の参列者、お若い方が全くおりません。

 

殆どが50代近いと思われる方々が祭りを進行してらっしゃいます。

 

氏子総代さんと漁師の方々が関わっているからかもしれませんが、

 

高齢の方々がいる上でこの炎天下でのお祭り、

 

熱中症などで体調を崩される方がおそらく出ずに帰ってこられたのは本当に良かったと思います。

 

今日も今日とて最高気温を日々更新していますから、

 

今後はより健康面は気をつけて行かねばならないですからね…

 ということで船神輿をもとあった場所に安置しまして、

 

奉遷の儀をもって神座へお戻りいただきます。

 

常宮さんと同様に衣垣と神主さんの擬似衣垣をもって人目に触れないようにし、

 

神主さんの警蹕をもってお戻りになられました。

 

 あー、そういえば御匙持って鍵を開けるのは宮司さんの所役だったなぁ…

 

このあと自座に戻ったあと、下の神主さんが御匙と御鍵を預かって

 

またあった唐櫃とかの箱に戻す、という流れでしたね。

 

大学時代の祭式を思い出しました。

 

 

  ​あ と が き

 

 

 

 

さぁというわけで、総参祭をご紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。

 

奥宮と里宮のある神社は殆どが山を御神体として、

 

その山頂と山麓にあることが多いですが、

 

気比神宮のように北陸の海上交通を守護してきた神社の奥宮への渡御は、

 

その立場を表すように海を渡る特色を持ったお祭りでしたね拍手キラキラ

 

 過去の氏子総代さんのインタビューでは、

 

この祭りが7/22で日程が決まっているため奉祀者を集めるのに毎回苦労するそうですが、

 

無事祭事が終わるたびにホッとするそうですアセアセ

 

お祭りを斎行する側もそういった面での悩みの種があるようですが、

 

どうかこれからも絶えず続けていけるように祈っておりますお願い

 

という感じで、ちょっと遅れ気味の記事となりましたが、

 

ここで筆を置きたいと思います。

 

これにて祭りネタが一旦尽きたので、次は普通の神社参拝の記事になるかなと思います。

 

それではまた次回バイバイバイバイ