ある世代のファンなら、「ケイブンシャの大百科」や「コロタン文庫」は必ず通ってきた道だろう。
小倉沙耶@kokurasaya南正時さんが書かれた『鉄道「大百科」の時代』(実業之日本社)読了。ギリギリ世代で本当に良かったと思えた一冊。巻頭カラーやえがしら剛さんのイラストにあの頃を思い出し号泣。大百科時代の終焉の描写に溜め息…2/24は書泉ブックタワーさん… https://t.co/4WqsuR0jxv
2017年02月05日 20:04
小学生の頃、同級生に、Nゲージとともに見せられたのが、『鉄道模型大百科』だった。レイアウトの製作(プラスターで山を作ったりとか)やグリーンマックスのキットの組み立てなど、その時点では出来ないような、でもいつかはやりたいという夢を激しくかき立てられる本だった。
コロタン文庫の「全百科」もなかなかに凄かった。『ブルートレイン全百科』では20系・14系(寝台車)・24系全車の車歴表(当時は改造による各種の個室寝台車が出現する前であり、20系以外では改造車は少なかった)、『国電全百科』にいたっては、113系の各形式の何番から押込形通風器になったかとか、クハ103の何番からディスクブレーキつきの台車になったかとか、そんなことを形式写真をつけていちいち解説している。総ルビつき、子ども向けの体裁ながら、凄みを感じるほど手加減一切なし。
今、少年ファンにとって、定番となる入門書はあるのだろうかと思う。
いまや児童向け出版は少子化には勝てず、「科学」「学習」は消え、「小学○年生」も「一年生」と、統合誌として創刊した「8年生」だけになった。
模型でもそうだが、もっと年少入門者を大事にすべきではないかと思う。
Bトレインショーティーですら、「本商品の対象年齢は15歳以上です。対象年齢未満のお子様には絶対に与えないでください」とパッケージにある。
商品担当者のインタビューをどこかで読んだが、Bトレはもともとは小学校高学年くらい、プラレールは卒業したが本格的なNゲージはまだ早いという層をターゲットにしていたという。ところがふたを開けてみると、Nゲージをたくさん買えるような大人が飛びついて、商品企画もそういう層にシフトしていったようだ。
でも、将来の担い手になるべき子どもを大事にしないとしっぺ返しを食らうような危惧を感じてならない。
どんどんマニアックになった結果先細りになったというのは、実は玩具全般がたどってきた歴史であるからだ。