新しい治療のジェムザール投与がはじまりました。

毎週水曜日、月3回。

2週間休薬。

効けばずっと?

効かなかったら?

その時はまた考えましょう。

 

血管が限界で、ついにCVポートを埋め込む方向性。

CVポートって知ってますか?

 

点滴を入れやすくするために、皮膚に埋め込み静脈に繋げる。

埋め込み手術が必要。

主に場所はお胸。

外科でのお話はこれから。

 

今まで本当によくがんばったね、私の血管さん。

限界を迎えるなんて。。。本当にごめんね。

先生もいつも血管を探すの大変だったと思う。

 

思えばこの4年間針を刺さない月はなかった。

淡々と行っていたけど、

ちくりを我慢をするたびに、ハートが痛んだ。

 

それでもぎりぎりまで血管でやりたかった。

だってお胸に埋没して、共に生きていくなんて。。。

まだ嫁入り前のからだなのになあ、、、わたし。

 

そんなことは言ってられないのだけど、

わたしはがん患者である前に、普通の独身の女性だ。

覚悟が要る。

 

この病気になってから、

いや再発をしてから更に追い打ちをかけるように、

思えば女性としてのいろんなことを失った切ない気持ちが湧き出してしまった。

 

子宮と卵巣を切除し

38歳で生理が止まり

子供を産むことはもちろん

仕事も

結婚も

恋愛も

お金も

時間も

 

それでも生きることに希望はあるのだろうか、

これ以上の挫折はあるのかと思うくらい、

人が人生で幸せと感じる、あるときは悩みを生み出すあらゆる事柄を

わたしは何も味わっていないのである。

 

この中の何かひとつくらい取り上げないでいてくれてもよかったんじゃない、神様?

と思う時もある。

 

人は喪失することや、

やろうと思っていたことができないことについて、

ひどい苦しみを味わう。

 

ゆえに、病気や怪我に見舞われて、

絶望的な気持ちになり

なにもかも無意味に思われ

心を閉ざしてしまう人も少なくない。

 

たまにふと考える。

がんになっていなかったらどんな人生だっただろう?って。

 

だからたまに。

なにか小さなきっかけで、

その隠していたこころがむくりと顔を見せる。

そしてちくりと胸を刺し、

痛みを伴う数日がある。

 

心の暗闇をちゃんと救って。

かなしみやくるしみを自分自身が一番の理解者でありたい。

 

CVポートを入れたら、

きっとよかったと思うことはいっぱいあると思う。

 

点滴は入れやすいだろうし、

毎月、針を刺さなくてもいい。

時間が短縮する。

治療がやりやすくなることも知っている。

 

 取り付けは部分麻酔で、

2、3時間の小手術かもしれない。

 

でも私にとっては全く簡単ではない。

そういうことではない。

メリット、デメリットではない。

知識は調べればわかる。

 

いやだいやだと言いたい。

じたばたしたい。

 

わたしはロボットではない。

心があり、感情で生きている。

 

わたしの心の中に、真黒な鳥が舞う。

悲しそうに、そして強く、凛々しく。

 

翼をもぎ取られたら、

足で歩いて行く?

泳いで進む?

そしたらそのうちまた翼が生えてくる?

 

そのコイン程の大きさの傷が心の傷とつながっている。

 

反面、命綱でもある。

だからやらなければならない。

結局は納得して。納得させて。

 

私はそんなところで生きている。

ぐらぐらと綱渡りをしながら。

 

現実に起こっていることの置き場所を

心の中に定める作業には、多少時間がかかる。

 

心の置き場所を見つけることは、

治療をするよりもずっとずっと大変なことかもしれない。

 

そう。
死は生まれたときから決まっていたことだから
がんになったことはそれほど響かなかったけど、
身体の欠損の方は
こんなに神々しい豊かなものなのに、
傷つけていくことにとても悲しみを感じていました。
 
でもね、未来のほうが伏せているカードがまだ多いだけに、
きっと面白いことが待ってるにちがいない。
そうでなくてはです。
 
だから切ないことがありながらも、
人はその小さな消えない光を頼りに生きていくのです。
日々の暮らしにちいさなしあわせを見つけながら。
 
なかなか言うところがない気持ちを今日は書き綴ってみました。
 
 
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くるみとお散歩中に出逢った桜と
お庭の沈丁花に癒され、
どれだけ心が救われたか。
ほっとしたよ。