江戸時代以前の人たちの旅行 | しのりの創作童話通り

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 少し前に「げんごろうのアサガオじまでおとまり」を書いているときにふと思い出したのが、江戸時代以前の昔の人が旅行をするときはどのような形だったのかということである。

 現在だったら、お金と暇さえあれば日本国内はもちろんのこと、海外へも旅行することが可能である。しかし、江戸時代以前の旅行といえば、一度は伊勢神宮への「お伊勢参り」へ行くことが一生の夢であったように、そう簡単に旅行できるような時代ではなかったのである。弥次さん喜多さんでおなじみの「東海道中膝栗毛」にも書かれているが、現在のように自動車や鉄道や飛行機がまだなかった時代の旅行は徒歩が基本であり、民宿に泊まりながら一定の距離を歩いてお伊勢参りするというのが基本的な旅行コースである。そして、江戸時代の旅行費用は現在の貨幣価値に換算すれば今と比べて莫大な費用を要することから、伊勢神宮など遠方へ旅行が可能だったのは、一定金額以上の貯蓄を有する豊かな人に限られていた。ちなみに、こういった旅行者を受け入れる民宿が集まってできた町が宿場町であり、私が住んでいるところの近くで宿場町として発展したところでは矢掛町などがある。

 もちろん、遠いところまで旅行しなくても、近くに遊ぶところがあればそこへ行って遊ぶのも一種の旅行である。夏だったら海水浴やキャンプなどであり、冬だったらスキーやスケートなどである。しかし、昔は目の前に海や川や湖などがある場合ならともかく、そうでない場合は現在のように自動車とかが無いので徒歩で行く必要があったので、そこへたどりつくまで何時間もかかるし、場合によっては数日かかることが多かったのが普通であった。

 「げんごろうのアサガオじまでおとまり」でも、げんごろうたちが山奥の大きな湖にたどりつくだけでも何時間も要しているけど、これも創作昔話という性格上として江戸時代以前に設定していることを考えても妥当な線といえるだろう。


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