U-NEXTで「グッドバイ ~嘘からはじまる人生喜劇~」を見た。

 「小説ロマン」の編集長田島周二(大泉洋)には10人以上の愛人がいる。

 だが、幼い娘の事を思うとこんな生活ではいかんと思い直し愛人たちと別れる決意をした。とはいうものの一人ではどうにもできず、作家の漆山連行(松重豊)に相談した結果、女房役の女を雇ってそれを連れて愛人達の所を周れば良いのではというアドバイスをもらう。

 そこで担ぎ屋で暮らしているガサツで大食いで金にがめついキヌ子(小池栄子)に頼み女房役をやってもらうことに。

 キヌ子を連れて愛人達のところを周り別れることは出来たのだがその後処理に奔走される田島。

 田島とキヌ子は金でつながっていただけの関係だったのだが・・・。

 小池栄子の演技をちゃんと見たのはこれが初めて。終始ガラガラ声でガサツなキヌ子役を演じ切っていてとても良かった。

 原作は太宰治の未完小説「グッド・バイ」。自分は読んでいないのではっきりとは分からないのだが、それを有頂天のケラことケラリーノ・サンドロヴィッチが戯曲として仕立て直した作品を基に映画化したらしい。

 ケラが関わっているからか、奥さんである女優の緒川たまきも出演している。

 太宰は読書感想文で「人間失格」を読んだだけ。自分の読みたいタイミングで読んだのではなく読まされたという悪い印象が強いのでそれ以外は読んでいない。開高健も同じ理由で読んでいない。

 「グッド・バイ」はいずれ読んで映画とどのくらい違うのかを確かめたいとは思っているが果たしてその日は来るのか。