U-NEXTで「トラック野郎 故郷特急便」を見た。

 シリーズ10作目。

 そして最終作。

 菅原文太演じる桃次郎は、冒頭でライバルトラック野郎の原田大二郎演じる龍次と出会い、早速喧嘩。

 今回の舞台は高知。

 高知に渡るフェリーの中で今回のマドンナである石川さゆり演じるドサ周り演歌歌手小野川結花と出会う。仲良くなりたいがために音大を出たと相変わらずの嘘八百を並べ立てる桃次郎。でも、女に対する熱意を感じるので作為的ないやらしさはない。

 そんな桃次郎は相変わらずだが、愛川欽也演じるやもめのショナサンは眼に異変を感じて事故を起こしてしまう。思い込みが激しいのか、自分はもう駄目だと思って足摺岬から飛び込もうとする。桃次郎達トラック仲間が一旦は止めに入ったが、こいつにそんな度胸はないと見抜いてからかっていたら、そこで止めに入ったのが第二のマドンナである森下愛子演じる西尾風美子。今作はWマドンナ体制。ジョナサンの飛び込みを止め、助けようとしなかった桃次郎をたしなめた風美子にもあっさり惚れてしまう桃次郎。

 惚れたら一直線の桃次郎。そしたら、風美子は中気で寝たきりの母親との二人暮らしであることを知る。そして、隣に住む親父に風美子は自分の息子と結婚する約束をしていると言われる。ショックでやけ酒を飲むも、その約束は親父が勝手に決めたことで、息子と風美子は会ったこともなく、しかも息子は6年も帰っていないことを知って元気を取り戻す桃次郎。

 ジョナサン家では、ジョナサンが入院しているので代わりに春川ますみ演じる妻の君江がハンドルを握る。そうすると家に親が不在で9人の子供がほったらかしになってしまうのだが、そうなったら上の子が下の子の面倒を見るようになり、それなりに上手く回ってゆくのだった。

 そして、桃次郎は結花と再会。

 冒頭で揉めた龍次とも再会。そしたらなんと龍次は風美子の家の隣に住む親父の息子だった。そんなことだろうとは思ったが、なんというご都合主義。でも、やはり大衆娯楽作品はこうでなければ。

 ある日、風美子の母親が危篤状態になる。口はきけないが、いつも聴いていた「南国土佐を後にして」のレコードを掛けてほしいことが分かった風美子がレコードを取り出したが割れていた。それは桃次郎がうっかり割ってしまったのだった。責任を感じた桃次郎は結花が出演しているドサ周り先のキャバレーに行き、出番の合間にオーナーの岩瀬の相手を嫌々している結花を連れて来て「南国土佐を後にして」を歌ってもらう。それを聴きながら風美子の母親は死去。

 その後、酒を飲みながら結花からドサ周りの苦労を聞き、ますます惚れてしまう。

 ジョナサンの病気は大したことがなく無事退院。

 桃次郎は結花にするべきか風美子にするべきかと勝手に悩んでいる。

 そんな中、龍次が地元に戻って来た。風美子は初めて龍次と会った。

 龍次が帰って来たのは親父に会いに来たのではなく、6年前に岩瀬の犬と闘犬大会で戦った時に不正をやられて負けた恨みを晴らす為だった。

 そんな岩瀬は結花の出番を取り消すという嫌がらせを行う。それに怒った桃次郎が事務所に乗り込む。同時に龍次も乗り込んできた。そこで桃次郎と龍次が喧嘩になり、キャバレーのフロアになだれ込んで皆を巻き込んでの大立ち回り。

 そんなことがあっての闘犬大会では、龍次の犬が岩瀬の犬を倒して雪辱を晴らす。そして、龍次と風美子が良い感じになり、桃次郎は振られたことを知る。

 そんな桃次郎にジョナサンは、「人口の半分は女なんだぜ」と、とても壮大な慰めを言う。そして、「俺には結花がいた」とばかりに結花の元へ。だが、結花には大阪のステージで歌わないかというチャンスが来ていた。でも、桃次郎の勘違いというガソリンを燃料に押して押して押しまくる熱意にほだされ大阪行きを諦める。しかし、そのチャンスを知った桃次郎は結花を一番星号に乗せ、行きのフェリーの時間に間に合わせるべく一番星号を高松港に飛ばすのだった。

 脇道、泥道かいくぐり、フェリーの時間に間に合い、結花はフェリーに乗る。だが、一旦乗ったフェリーから降り、「私、やっぱりあなたのお嫁さんになる」と桃次郎の元へ。そしたら桃次郎は結花を振って一番星号で去ってしまった。

 今まで振られまくっていた桃次郎が最終作で女を振るとは。なんというやせ我慢。自分だったら出来ない。

 これで「トラック野郎」を全部見た。今月の24日で配信終了だったので間に合って良かった。

 ストーリーのパターンが大体一緒なので、あのシーンが何作目だったとか、何作目のライバルトラック野郎は誰だったかというのは分からなくなっているが、とにかく歴代マドンナで個人的1位は原田美枝子で2位は夏目雅子だ。