休み。
日々のあれこれをやっつける。
今日は、柏の柏市民文化会館で午後2時から行われる落語会「柏で成金」を見に行く。
JR東船橋駅からひとつめの船橋駅で降り、数年前まで野田線という名前だったアーバンパークラインに乗って柏へ。アーバンパークラインに名前が変ろうと電車の窓から見える田舎の風景に変りなし。
数年ぶりの柏。
なんとなくこのあたりだったよなと思いながらディスクユニオンを探したらあっさり見つかった。少し物色してから柏市民文化会館に向かう。調べると駅から結構遠く、徒歩だと20分とのこと。バスも出ているが、そのくらいの距離でバスを使うのももったいないので歩いて行くことにした。途中、数年前に立川流の落語会を見たアミュゼ柏の前を通って懐かしくなる。あの日は雨だった。
開場の1時半前に柏市民文化会館に到着。
電話で予約した前売りチケットと引き換え、開場待ちの列に並ぶ。自分より年上の人が多い。地方の年配の人の落語会のマナーの悪さは去年の船橋の落語会で痛感しているので少々嫌な予感。
開場してホールに入る。
物販で小痴楽の手ぬぐいがあったら買おうと思っていたけれどなくて残念。
席は自由席。真ん中より前の左端という個人的にベストな席に座って開演を待つ。
2時に開演。
開口一番の前に今日出演する4人(柳亭小痴楽、瀧川鯉八、春風亭昇々、春風亭昇也)が出て来てトーク。あれこれ楽しく喋って開場を温めてから本格的に落語会のスタート。
開口一番は昇也。
出身が野田で今住んでいるのが北柏。
まくらで、浅草演芸ホールでマナーの悪い団体おばちゃん客に困らされたエピソードをおもしろおかしく喋る。実際にあったことなのかは分からないが、こういうまくらでその場にいる人間にマナーに関する注意喚起をしているのかもしれない。
噺は「寄合酒」。
新作派の昇太一門にいるのだから新作をやってほしかった。地方の客に寄せてしまったのか。
続いて仲トリで鯉八。
来年五月に真打昇進が決まっている。
まくらで喋った豪華客船に乗った時のエピソードは、「渋谷らくご」のポッドキャストで何度も聞いているのにおもしろかった。
噺は新作の「にきび」。しかも先月作ったばかりの噺のよう。鯉八は新作中心だけど古典もやるというタイプではなく、新作しかやらないタイプなので、落語に慣れていない地方の客に対して古典で置きにいけない。にしてもやり慣れている新作ではなく作りたての新作で勝負する攻めの姿勢が個人的には好き。ほんわかした風貌と喋りではあるが客に媚びない姿勢を持っている。
休憩後は昇々。
松戸出身なので松戸、柏ネタ、そしてご両親ネタであれこれ笑いを誘ってから噺に入る。舞台は江戸なのだが聞いたことがない噺なので、古典なのか、設定が江戸な新作なのか分からず聞いていた。後で「鈴ヶ森」という古典と知る。
やはり、昇太一門なんだから新作が聞きたかった。
トリは小痴楽。
今年の九月に真打昇進が決まっている。
まくらで、父親である五代目痴楽師匠の、というかその仲間たちについてのエピソードを喋ってから「らくだ」に入ったので驚いた。地方の落語会でこの大ネタが聞けるとは。小痴楽の「らくだ」は新宿のレフカダで聞いて以来。
酔って酒癖が悪くなってゆくくず屋の様が楽しい。
今日は、出演者も良く、心配していた客のマナーも悪くなかったが、自身の調子が万全でなく、咳止めの予防として飲んだ風邪薬のせいなのかちょいちょい睡魔に襲われて噺に集中出来なかったのが残念だった。
でも、全体的には良い落語会だった。