ここ数年、頑張って年賀状を減らしてきた。
「今まで届いてたから出す。でもこの先、2度と会うことはないだろう」
という相手には、どんどん出すのをやめた。
最初は、
「出すのやめたんだ、って思われるかな」
って気にはなったけど、まあ2度と会わないんだからいいか、と思って。
そうやって、ピーク時には50枚近かったのを、半分にまで減らした。
だけど、そこから減らすのが難しくてね。
それなりに仲の良かった子しか残ってないしさ。
とは言え、50を過ぎると、その25枚さえしんどくなってきた。
一番の理由は、
「子供もいない、何十年も同じ生活しか続けていないから、近況を伝えようにも書くことがない」
という、ネタ切れ地獄
でも、出すからにはせめて近況を伝える一言くらいは書き添えたい。
それに、終活にはまだ早いかもしれないけど、身の回りをだんだん整理したいって気持ちも強くなって来たしね。
なので昨年、会社を辞めてから30年も経つのに未だ年賀状をくださる先輩には、思い切って、
「今年で年賀状をやめます」
というハガキを出した。
実際には、全員に出すのをやめるわけではないんだけれども、嘘も方便ってことで。
そして今年。
何が困るって、
「母が年を越せるかどうかはっきりしない問題」
だよね。
たぶん、今の状態なら、年を越せると思うんだけど、そう思って12月25日頃に年賀状を出しました、28日頃に危篤になりました。
みたいな可能性だって、ないわけじゃないな、って。
まあ、それを気にしてたら、
「年賀状を出した後に家族が突然死」
だってあるかもしれないんだから、きりがないんだけれども。
まあとにかく、最低限まで枚数を減らしたいと思って、高校の部活の後輩へも、
「母の体調がこういうことなので、今年は出しません。
これを機会に、年賀状をやめることにしました」
というハガキを出した。
この後輩、毎回いろいろと近況を書いてくれるから読むの楽しかったんだけどね。
……と思ってたら、わざわざ返事のハガキをくれた!
なんて律儀なんだ
で、会社の同期では最後の1人になってしまった子にも、仲が良かったとは言え、最後に会ったのはもう15年前か。
彼女には、携帯電話の番号とか、メールアドレスとかちゃんと書いて、
「何かあったら連絡ください」
って書いたわけよ。
そうしたら、すぐにメールが届いた!
この内容が、けっこう衝撃だった!!
何たって、だんなさんが出て行ってから11年もたって戻ってきた、みたいな話から始まるんだもん
確かにね、交際のきっかけはだんなさんの方からのアプローチだった。
交際が始まってしばらくは、恥ずかしいくらいラブラブだった。
でも、彼女の方が入れ込んでしまって、彼氏の方はちょっと冷めてるかな、と感じることもあった。
だけど、交際から10年ほどたって無事ゴールイン
子供も生まれた。
しかし、普通の奥さんだったら嫌がるだろうな、浮気を疑われても仕方ないな、というだんなさんの行動で、彼女は悩んでた。
離婚しないといいな……。
そう思ったのが、その最後に会った15年くらい前の話。
……だったのだけど、そうか、あの後だんなさん、出て行ってたのか
で、その出て行ってる間に、病気するやら、手術するやら、パワハラされるやら、あれやらこれやらで、その羅列がまたすごかったんだ
私も、高校卒業してすぐの頃に父と姉が亡くなったり、それにまつわるいろいろな話をしたら、
「そんなの、ドラマの中にしかないと思ってた!」
って言われたけどさ。
いやぁ、彼女の経験したことの方が、波乱万丈だな、立派にドラマになるわ、と思った。
年賀状にはそんなこと書いてないから(当たり前か)、ちっとも知らなかったよ。
高校の同級生でも、離婚した子は数人いるけど、あんまり詳しく聞いたら悪いかなと思って、離婚の理由とかも知らないんだけど。
コロナが収束して、またゆっくりランチできるようになったとき、ちょっと詳しく訊いてみたら、こういう波乱万丈な話が聞けたりしてね。