見ようかどうしようか迷ったんだけども、結局、ある漫画家さんの特集番組を見た。

 有名な漫画家さんだけど、私はアニメをいくつか見たかな、程度の。

 正直、中学生のときに見た作品も、内容についてはあまりはっきり覚えていない。

 

 ということは、人気があっても、私にはあまり刺さらなかった、というわけだな。

 

 そのアニメ化されてた作品、シリーズになってて、〇〇編、××編、っていうように、信じられないくらいたくさんの漫画になってたらしい。

 でも話を聞いたら、そのシリーズだけでも、描きかけてすぐ中断したのがいくつもあるようだ。

 

 

 私はどうも、中断したまま未完って嫌でさ。

 一度読み始めてしまった本は、よほどつまらない場合を除き、最後が気になるから、最後まで読みたい性分。

 

 しかも、結末が分かればいいわけじゃなく、そこへ行くまでの経過もしっかり知りたい。

 でないと、

「ん? いつの間にこの2人はこういう間柄になったんだ?」

 とか疑問に思ってもやもやするから。

 

 そういう性分なんで、途中でめっちゃつまらなくなったうえに、途中で作者が逝去された某超長編小説には本当に、やるせないというか、何とも表現のしようのないもやもやを、未だに感じている。

 

 なので、この番組を見て、

「うわー、この漫画家さんのファンにならなくて良かったー」

 と、心底思った。

 

 まあ、あの時代の漫画家さんなんて、人気があったら、結末なんて決まってなくても描かされただろうし、とも思うけどさ。

 この漫画家さん、飽きっぽくて、やりたいこともいろいろあって、結果、中断した作品がすごくたくさんあるのをどうやら後悔してたらしくて。

 

 だったら、やっぱダメじゃん。

 とか思いながら見てたら、最後にもっとすごい話が出た。

 

 

 某作家と組んで漫画化した作品が、途中まではめっちゃおもしろかったらしいけど、

「さあ、これからいよいよ最終決戦だ!!!」

 っていう、一番いいとこで中断だってさびっくり

 

 私がこれ読んでたら、憤慨しまくるな。

 

 でも、この特集番組に出てた人は、その漫画家さんのファンばっかりなので、

「〇〇〇な性格の人だから、ものすごく葛藤があってこれを描いたんだと思います」

 みたいな方向で、誰もそれに対して悪いことは言わなかった。

 

 だけど、ある人が、

「でも、どうしてここで中断したんでしょうね」

 と言ったら、別の人が、

「さすがに無理だと思ったんじゃないですか、この展開では」

 と答えた。

 

 つまり、話が面白いのはいいけど、敵があまりに強すぎて、どうやったって勝てっこない、と。

 めいっぱい風呂敷広げたのはいいけど、畳めなかった、と。

 

 やっぱダメじゃん、それ!!!

 広げた風呂敷は、ちゃんと畳むのがプロってもんじゃないの?

 

 

 まだ小学生のとき、藤子不二雄氏の作品で、

「敵を強くし過ぎて、正義のヒーローが勝つ方法を思いつけなくて悩む漫画家」

 の話を読んで、それがすっごく頭に残っててさ。

 

 結局は、悟の妖怪をパクったような結末をつけてたけど、丸パクリというわけではないし。

 あー、売れっ子の漫画家さんは大変なんだなー、って子供心に思ったくらいだ。

 

 だから、自分で納得できる結末を見つけられない苦悩ってのもあるかもしれないけど、

 あまりに多過ぎだろ、描き始めてすぐやめた、ってのがさぁ。

 

 それでもなお、「ファンです!!」って言って熱く語れる人たちをすごいと思ったわ。