年末になると、今でも思い出すことがある。

 すっごーーく昔の、私がまだうら若き乙女だった頃。

 近所にあるスーパーの年末福引で、1000円分の商品券が当たった。

 

 その商品券、そのスーパーで使えるなら問題なかった。

 しかし、スーパーの隣にたった3軒だけあるお店のどれかでしか使えないもの。

 消去法で、「美容院でしか使えないな」と思った。

 

 有効期限がまた12月いっぱいだったので、それから間もない日の午後1時頃に出かけて行った。

 私が行ったとき、美容師さん3人のそのお店には、既にお客さんが3人いた。

 

 私は微妙なくせ毛で、パーマをかけても左右でかかり方が違う。

 だからパーマは諦めていた。

 カットだけだから、いつも行っている美容院は、美容師さん1人しかいないお店だけど、他のお客さんの合い間合い間にちゃちゃっとやってくれる。

 

 初めて行くお店だけど、ここは美容師さんが3人もいるから、合い間の時間にやってくれるだろう。

 それができなくても、パーマって時間がかかるから、

「3時間待ってもらいますけどいいですか?」

 という一言があるものと思っていた。

 

 3時間待たされるんなら、また別の日に行くだけだし。

 実はこのお店、近所の人が働いていたから、

「知っている人が、3時間も放ったらかしなんて目には遭わせないだろう」

 と信用してもいた。

 

 

 しかし、このお店。

 私が入店したときに「いらっしゃいませー」とは言ってくれたけど、それっきり。

「パーマですか? カットですか?」

 という問いかけもなかった。

 

 仕方ないので、ソファに座って待ってみる。

 今はちょうど3人とも始めたところだけど、手が空いたら「パーマですか?」くらいは訊いてくれると思っていた。

 

 そのまま30分たっても、1時間たっても、最初の「いらっしゃいませ」以降、私のことはまるで無視。

 

 この頃には、

「これはマジで誰か終わるまで、3時間待たされるんじゃガーン

 とは思い始めていたけど、既に1時間待ってしまっているし、なまじ知っている人がいるから、今さら、

「3時間待たされるなら帰ります」

 とも言いにくい。まだ、ハタチかそこらの小娘だったし。

 

 結局、本当に4時半まで待たされた。

 

 信じられない、何なの、この店!

 初めて来た客だってことは、見りゃ分かるだろう、

「うちは今やってるお客様が終わるまでやってあげられませんよ、3時間待つことになりますよ」

 ってどうして言えないんだ!? と、心底ムカついた。

 

 逆に、初めて来た客への対応が良ければ、そのまま常連になってくれるとは思わないのかな?

 

 

 

 待たされた末に担当してくれたのは、近所の人だった。

 3人の美容師さんの中では、見るからにその人が一番年下なので、何の説明もしないまま客を3時間も4時間も待たせて平気な店の風潮には逆らえないんだろうなと、その時点ではまだ同情的に思っていた。

 

 だけど、知らない人じゃないんだし、横に来たときこそっと、

「長いこと待たせちゃってごめんね」

 の一言くらいあってもいいんじゃないかと思ったけど。

 

 全く悪びれる様子もなく、

「カットだけでいいのねー」

 という態度だったので、申し訳ないけどその人のことを嫌いになった。

 

 しかも、やたらネチネチネチネチと枝毛切り? に時間をかけて、まあ丁寧なお仕事ってことなのかもしれないけど、その分お値段も高く、1000円の割り引き券を使っても、いつも行ってる美容院よりも高かった、というオチムカムカ

 

 「常連になってくれるかもしれない初めて来た客」に対して態度が悪かったのは、

「おまえみたいな小娘は、うちみたいな高級店に来るな」 

 ってことかしら? とも思ったけどさ。

 

 今みたいなネット社会だったら、あちこちの口コミサイトで、

「あそこの店の接客態度は最悪」

 って書きまくったかもしれないな汗

 

 でもホント、それくらいムカついたからね~。