うちの母親は90歳近いので、認知症の予防薬を飲んでもらっている。
それでも理解力は落ちまくり、やってることはかなりしっちゃかめっちゃか。
買い物に行けば、賞味期限が今日中のお惣菜を、買ったことを忘れていくつも買う。
食べられる分量以上に買ってないか、間違えて食べられないものを買っていないか、常にカゴの中のチェックが必要。
それでも、ラーメンはしょうゆ味しか食べないくせに、みそ味とか担々麺とか間違えて買うから、交換に行っている間にまたなんか買っていたり。
すぐに、
「あれがどこにあるか分からない」
って言うから、探しに行ってる間にまたなんか買ってるとか。
そのくせ、私が母の買い物で走り回ってる間に、自分はちゃっちゃと自分の欲しい物だけカゴに入れ、いかにもしんどいという格好をしながらさっさとレジへ行く。
私はまだ、何にも買えとらんわ
ホント、年寄りを連れての買い物はストレスフル
で、味覚が衰えてしまって、何を食べても美味しくないからこそ、
「美味しそう」
と思ったものは、何でも買う母。
元々、気に入ったものは毎日のように食べる習慣があったから、唐揚げなら食べられると思うと、買い物に行くたび唐揚げを買う。
問題は、1パックだけ買ったとしても、全部を食べきれないこと。
余った分は、いつもいつも私とだんなが食べることになる
ついつい、「またそれか」って言うと、
「嫌なら食べなきゃいいじゃん。捨てるから」
と言う。
それがもったいなくてできないから、無理して毎回食べとるんじゃあ
で、いつものように、母がお惣菜コーナーで唐揚げを買おうとした。
しかも、自分はせいぜい1個か2個しか食べないのに、6個も7個も入ってる大きなパックを手に取る。
母は「自分だけ食べてたら悪いから、私たちも食べられるように」って善意なんだけど。
唐揚げは美味しいから好きだけど、いくら何でも毎日毎日毎日は食べたくないっす
「そんな大きいの買わなくていいよ。こっちの小さいパックでいいよ」
とか言ってたら、ふらっと隣に来たおばちゃんが、
「いいじゃん、大きいパックがいいなら大きいパック買えば」
と話しかけて来た。
知らない人から話しかけられるのは全く平気なんで、
「いやぁ、ちゃんと見てないと、食べきれないくらいたくさん買っちゃうから。余ったら私たちが食べなきゃないし」
と、私も軽く答えた。
普通、知らないおばちゃんが話しかけてきたような場合。
「あら、そうなのぉ」とか、
「どこも同じだよ~」とか。
基本、知らない人だから、あまり否定的なことは言って来ない。
ところがこのおばちゃん、
「いいじゃん、余ったら食べてあげれば」
と軽く言う。
「でも、食べられるものが限られてるから、同じ物ばっかり買うし」
「いいじゃん、同じ物でも食べれば」
「いや、こっちだって、毎日毎日食べたくないもの食べたくないし」
「いいじゃん、毎日でも食べれば」
……って調子で、私が何を言っても「いいじゃん、食べれば」のエンドレス
これがね、まだ、
「大変だろうけど、お母さんが食べたいもの食べられるうちは、好きなもの買ってあげなさいよ」
みたいな言い方だったら、私も反発しない。
だけどそのおばちゃんの言い方がね、なんか一方的に押し付ける言い方なんだな。
そういう押し付けがましい言い方で、こちらが何を言っても、
「いいじゃないの、あなたが我慢して食べれば」
って言われ続けると、
「アナタ何様? うちの家庭の事情とか何も知らないのに、何の権利があってそういうこと言う訳」
って反発したくなる。
華やかな服装だけど、パッと見た感じ、根っからの上流階級ではなく、下町育ちっぽい。
だけど命令し慣れてるというか、自分の言ったことは周りの人が聞いて当たり前、と思ってる感じ。
そこそこ従業員がいる会社の社長夫人とかかも?
こういう人は何を言っても聞く耳持たないだろうから、私も面倒くさくなって、
「ハイ、そうですね」
って言っておしまいにしちゃったけど。
あのおばちゃん、誰かれ構わずああいう押し付けがましいこと言って回ってんのかなぁ。
迷惑だわぁ。