前回、前々回とネタにした、ときどき変なスイッチが入るまーちゃん。
実は彼女、お母さんがかなり変わった人である。
そのためまーちゃん、幼少の頃からずっと、言葉による暴力を受けていたらしい。
お母さんが家事を一切やらなかったらしいから、ネグレクトもあった、と言ってもいいかもしれない。
だから、自己肯定感にかなり問題あり。
自分のことをほめる人は全て「この人、なんて嘘つきなんだろう」と思ってしまうそうだ。
いつだったか、母に対する愚痴を言っていたら、
「でも、ゆいさんちはお母さんと仲いい方だと思うよ?」
と言われて、逆にびっくりしたことがある。
私は、母と仲が悪いつもりなんて全くないし、母のことを嫌いだとか、仲が悪いんだとか、一度も言ったことがないからだ。
ただ、仲のいい家族だからって、一度もケンカしたことがないとか、家族に対して不満が何一つない人っていないと思う。
こういうところは気に入らないとか、こういうことを言われて腹が立ったとか、そういう愚痴は誰でも言うのではないか。
特に今は、ボケかけて来てホントムカつくことも多いし、ストレスも溜まる。
そういうことを、友達に愚痴ればスッキリするから、という感覚でしかなかったので、真面目な顔で「仲がいい方だと思うよ」と言われるなんて、思ってもみなかった。
同時に、
「ああ、そういう判断基準なんだ?
こういうところが『虐待されて親子関係にトラウマがある人』と、『普通に育てられた人』との差なのかな」
と、改めて思った。
前回のネタで、ちょっとボケかけた私の母をキッチンに入れるなとしつこく言っていたのも、自分にとってのお母さんがそういう人だから、自分だったら「何としてでも排除してやる」という気持ちの裏返しなのではないか。
とは言え。
まーちゃん本人も、自分がかなりネガティブな思考をするという自覚はあって、何とかそれを変えなくては、と考えていたようだ。
15年くらい前、今ほど頻繁に会ってはいなかったが、パソコンが普及し始めたので、そういう相談を受けて、メールでやり取りしたことがあった。
で、こっちもいろいろ表現に気を遣いながら、
「こういう考え方もあるんじゃないの?」
「その人は、こういうふうに思ったんじゃないの」
などと、真剣に考え、アドバイスをした。
最初は、私より仲がいいはずのえみちゃんやみっちゃんが、
「今ではもうあの2人は話も聞いてくれない」
とまーちゃんが言うので、
「友達なのに話も聞いてあげないなんて、なんでそんな酷いことするの?」
と、まーちゃんに同情していた。
だけど、何度も何度もメールをやり取りして分かったこと。
こっちが真剣に考え、いろんな角度から、いろんなことをアドバイスしても、
「でも、これはこうで……」
「でも、この場合はこうだから……」
という具合に、でも、でも、でも、と全否定した挙句、
「だけど私はこういう育ち方をしたんだから、こういう考え方しかできなくても仕方ないでしょ」
……って、それを言ったらお終いじゃ~ん
つーか、そういう考え方しかできないのはまずいと思うから、何とかして自分を変えようとしてるんじゃないの?
だからこっちも、親身に相談に乗ってるんですけど
これを3回くらい続けられたらもう、誰だって真剣に相談に乗る気なんかなくなるよね?
ああ、そうか。えみちゃんもみっちゃんも、既にこれを経験してるから、真剣に話を聞いてあげないのか。納得だ……。
なのでそれ以降、相談事はかるーく流すようにしている。
なんかね、私が訴えたいことも、ちょっとピント外れに解釈して、どんなに説明しても解かってもらえない歯痒さを感じることもあるんだよね。
それでいて、
「こういうことなんでしょ?」
って、自分の解釈を押し付けて来るから、ストレスフルな結果にしかならなかったりするんだよね。
結局、価値観とか考え方の根本があまりに違うと、相談事は解決しないで逆にストレスになる、と
良い友達関係を長く続けようと思ったら、ムカつくことがあっても適当に流して、適度な距離を取るのも大事ってことかなぁ、と私は思うな。