ダイエットの敵 それは高齢の母が買うおやつ

　うちの母は、昔からどちらかというと病弱で、長生きできないかと思っていたら、もう８０代後半である。

　７０歳のときに癌で大きな手術もしたが、そのまま再発もせず、９０歳まで行けるんじゃないかという勢い。

　ただ。元々病弱なうえに、食欲にムラもあり、好き嫌いも多い方。
　９０年近く生きたいま、味覚も衰えて、何を食べても美味しくない。
　口癖は、
「何か美味しいものが食べた～い」

　同情はするけど、あまりに不味そうにごはんを食べられると、こっちまで食べているものが不味く感じられる。

　で、ごはんは美味しくないけど、おやつは食べたい。
　スーパーで、３本入りのみたらし団子とか、４つ入りのおまんじゅうとか、気をつけていないとさっきもう買ったのを忘れていくつもカゴに入れる。

　しかもこういう団子とかまんじゅうとか、たいがい賞味期限は２日前後。
　でも、自分が食べたい、食べられるのはせいぜい１個。
　じゃあ、あとはどうする？

「あんたたち、食べやあ。いらな（いらなければ）捨てるわ」

　捨てるなんてもったいない

　だけど母は、「これが食べられる」となったら、そればっかり食べる人だ。
　母は毎日でも団子を食べたいかもしれないが、私は毎日毎日、自分が食べたいわけでもない団子を食べたくはない

　それに、私にだって食べたいものはある。
　でも、自分が食べたいおやつの余分に、母の残りも食べようとすると、その分摂取カロリーが増える。

　友人がＳＮＳに、
「体重計に見たことのない数字を見た
　どうして？　今月は爆食してないのに。
　代謝が落ちてるせいか」
　って書いてて。

　そりゃあそうでしょうよ。
　私なんかとっくに昼ごはんを半分に減らしてるのに、それでもちょっと私が食べたいプリンと、母が捨てるというおまんじゅうを食べたりすると、すぐ体重キープできずに増えるのに。

　友人２人とランチに行ったりすると、それこそ３０代のときと変わらないんじゃない？
　ってくらい食べるから、
「そんなに食べて、体重増えないの！？

　この子たちの身体の仕組みはどうなんってるんだ」
　って思ってたところだよ。

　……とまあ、そういう年齢なので。
　母の残すおやつは迷惑でしかないのだが、まあ年齢が年齢だからね。
　あと何年おやつを食べられるかな、この人も。って考えたら、ここはこっちが我慢するしかないところだなぁ……