今月14日、勤務校主催の開校記念講演で、私たちは前橋が生んだ伝説のロックバンドROGUEのメンバー、奥野敦士さん(ボーカル)と香川誠さん(ギター)を前橋市民文化会館にお招きしました。そして、私は一観客としてお二人の軽妙なトークを堪能。そればかりか、名曲「終わりのない歌」の生演奏まで拝聴し、改めてROGUEの楽曲の素晴らしさを実感。感動しました
当日、ROGUEのお二人による生演奏の様子を写真や動画で撮影。でも、肖像権の問題があり、ここでそれを公開することはできません。スミマセン
その昔、私は大学時代に仲間とバンドを組み、BOØWYの楽曲をコピーしたことがあります(ちなみに私の担当はドラムス、たまにボーカル)。その頃からROGUEはBOØWYと同様、群馬出身のロックバンドだと認識していました。しかし、当時ビートルズに心酔していた私にとって、BOØWYもROGUEも大差のない、単なる流行りのバンドだと勝手に思い込み、ほとんど興味を持ちませんでした。
でも、武道館で単独コンサートを開催し、成功させたバンドですから、物凄いバンドであることには違いありません。今回、楽曲を拝聴し、改めて30年前の自分の見識の甘さを恥じています
改めて申し上げます。ROGUEは群馬が生んだ偉大なバンドです
さて、当日、お二人による記念講演の前、私は昼食をとるために、市民会館の西側至近に店舗を構える「料理倶楽部 紫」さん(前橋市南町)にお邪魔させて頂きました。前橋市街で十割のそばが手繰れる数少ないお店ということで以前から注目していましたが、勤務先から至近で「蕎麦家りく」さん(参照:最もお世話になっているおそば屋さん 「蕎麦家 りく」さん・お昼はやはり「蕎麦家 りく」さん )の絶品そばが容易に手繰れることもあって、なかなか脚が向きませんでした。何しろ駐車場が狭そうだし・・・
でも、このタイミングを逃したら二度とチャンスは訪れないかも?
そこで、意を決して、文化会館の駐車場にVOXYくんを休ませ、徒歩で店舗に向かいました。
紫さんの看板 旧国道17号の沿線にそびえ立つ看板です。外観はそば屋ではなく、割烹料理のお店という感じですが、実は十割そばにこだわる、そば好きには堪らないお店です。
ところで、紫さんの店舗は、旧国道17号の沿線、前橋市南町3丁目の信号(文化会館西側)の南西角にあります。車両の通行量が極めて多く、とても賑やかな場所ではありますが、店舗自体は前橋市街の雑踏で静かに佇んでいました。
旧国道17号 店舗の南側から撮影。奥が北側、渋川方面です。なお、紫さんは、写真左下に見える紫色の和傘が目印です。
入口の和傘 紫色の和傘がアクセントになっています。というか、T1グランプリの派手な幟が目立ちすぎかも
入口の和傘 傘の表面にジンベイザメのような斑点があります
入口の和傘 「春夏冬中」と書いて「あき(秋)ないちゅう」と読ませます。ご存知でしたか?
「紫」さんの店舗の佇まい 旧国道17号に面した賑やかな場所にありますが、それとは逆に店舗自体は料亭のような落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
店舗の暖簾 暖簾はやはり紫色です。
メニュー(1) プチそば懐石のような料理がズラリ。なお、写真はありませんが、メニューの表紙もやはり紫色でした 以下、メニューの詳細は拡大してご覧下さい。
メニュー(2) 米飯も扱っているようですが、紫さんの売りはやはりそばのようです。
メニュー(3) 一品料理が充実しています。昼間から一杯やりたかった
メニュー(4) 糖質ダイエット中ということもあり、当日はシンプルに写真中段の「十割そば」を注文させて頂きました。
単身のこともあり、カウンター席に着席。早速メニューを開いたところ、どれも旨そうな料理ばかり。色々目移りしましたが、初志貫徹で「十割そば」(大盛り:1100円)を注文。
さてさて、どんなそばが登場するかな?
それはもう、ドキドキです
静謐な店内 前橋市街の雑踏にあって、店内はまさに異空間でした。座敷席のほか、カウンター席が何席かあります。
待つこと10分。早速出来上がり。
それでは、頂きま~す
十割そば(大盛) 器へのこだわりも感じさせます。
箸袋 これも鮮やかな紫色。紫色への強いこだわりを感じさせます
そば麺 美しい盛り付け。香りもまずまずでした。
そば麺(拡大) 太さがやや不揃いですが、エッジが鋭さが目立っています。
そばつゆ アッサリした味付けでした。私は濃口が好きなので、塩を加えてしまいました。
薬味 刻みネギとおろしワサビ(おそらくチューブもの)の2種類でした。
まず初めに、麺を無造作に10本ぐらい摘まんで持ち上げた途端、そのうち2、3本が切れて、スルスル抜け落ちてしまいました。この時点でちょっとガッカリ。なぜなら、私は自分でもそばが打てるので、きちんとつながっていない理由がすぐに分かってしまうからです。
そうです、私、白髪磨人は、そばに関しては妥協は許しません
ところで、麺のつながりが悪くなってしまうには、次にあげる2つの原因が考えられます。
まず1つ目は、そば粉の品質の問題。そればかりはいくら凄腕の職人さんでもどうにもなりません。そもそも十割でそばを打つためには、原料粉に相応のグルテン含有量が求められます。グルテンは粉と粉とをくっ付ける重要な役割をもっていますから、シナ産など外来種をはじめ、グルテンが少ない、安っぽい原料粉で十割そばを打つこと自体、初めから無理なんです。
そして、2つ目は、製麺後の時間の経過。十割でもつながる、相応の原料粉を使って製麺したものの、時間が経ったことで麺が渇き、とりわけグルテンが粘性を失ってしまったために、麺が切れやすくなってしまうことです。
そばの王道は、挽きたて、打ち立て、茹でたての総じて「3たて」の検事です。とりわけ、打ちたて→茹でたての緊密な連携は重要です。麺に風邪を引かせてはいけません
今回、紫さんで私が手繰らせて頂いたそばのつながり具合が今一つ物足りなかった原因は、おそらく後者だと思います。そもそも十割そばにこだわるお店ですから、原料粉自体は高品質のはず。確かにそばの香りもまずまず。うどんの匂いは感じられませんでした。
でも、風邪を引かせてしまった作り置きの麺を取り出し、そのままボイルした感じが否めませんでした。私は過去、何度も何度も同じような失敗を繰り返しているので、全てお見通しなんです。フッフッフ・・・
アッ!素人のくせにエラそうにそば打ちのウンチクを口走ってしまい、どうもスミマセン
でも、そばに関しては極めてうるさい私ですが、紫さんは楽々合格圏内です
何より、静謐な店内の空気には心が癒されました。真に安らげるお店でした。
紫さん、素晴らしい!
容器(1) 可愛らしいニャンコがテーブルを飾っていました。
容器(2) ニャンコの胴体の中身は粗塩でした。
小付 左はお新香、右は甘い甘い紫芋でした。初めナスの漬物と勘違いしました
本日の一品料理 本日は「川魚のマリネ」でした。素材はどうやらニジマスくんのようです。
そして、締めはお決まりのそば湯です。
そば湯(1) 湯呑に注ぎ込む、この瞬間も堪りません
そば湯(2) そばを美味しく頂く上で、そば湯の良し悪しも重要なポイントです。
そば湯(3) そば麺と同様、薬味を加えて味の変化を楽しみます。
御馳走様でした。ややこしい講釈を垂れてしまい、申し訳ありませんでした。
でも、近いうちに今一度紫さんにお邪魔し、打ちたての十割そばを手繰らせて頂きます。
次は、彼女同伴かも?そんなわけねーか
群馬県庁 前橋市民文化会館西側、南町3丁目の信号付近から撮影。なお、庁舎ビルはおそらく群馬県で最も高い建造物だと思われます
前橋は懐が深い街です。一見すると、さびれかけた地方都市の典型ですが、前橋生え抜きのローカルバンドとしてスタートしたROGUEが今から20年以上前に武道館で8000人を動員するほど大ブレイクしたように、まだまだ色んな可能性、発展性に秘めているはず。そんな前橋に私はこれからもずっと期待しています
とりわけ食文化についても、そばをはじめ、もっと深く掘り下げれば、お宝がじゃんじゃん出てくるはず。愛車銀ちゃん2号にまたがって、また前橋のウマいそば屋さんを紹介させて頂きます。乞うご期待!