白髪磨人、ついに前橋刑務所に収監? ~H26前橋矯正展~

 私、白髪磨人は51歳の誕生日を目前に控え、ついに前橋刑務所に収監されてしまいました。日頃の毒舌が祟ったようです 
号(┳Д┳)泣

 
 前橋刑務所の塀(北側) 刑務所の四方を取り囲む堀の一部です。 
 


 前橋刑務所の正門 毎日通っていると、折面会で門扉が開く場面に出くわすことがあります。左側がJR前橋駅南口方面、右側がJR新前場駅方面です。

 

 
 前橋刑務所の塀(北西角) 矯正展はこの右側(西側)に会場が設けられていました。
 
 
 スミマセン。といいうのはジョークです


 実は昨日、前橋刑務所で開催された前橋矯正展に出掛けて参りました。

 
 
 前橋刑務所の塀(北東角) 「前橋矯正展」と書かれた大きな看板が設けられていました。

 
 矯正展会場(1) イベントは刑務所の外(西側の広場)で行われていました。
 
   
 矯正展会場(2)
 何と!いきなり、ぐんまちゃん登場

 
 ぐんまちゃん(1) 今年はゆるキャラで全国1位を目指しているそうです。写真のぐんまちゃんの左下にはAKGさんのポスターが飾られています。

 
 矯正展会場(3)
 それぞれの販売テントでは受刑者が制作した物品が所狭しと陳列されていました。
 


 矯正展会場(4)
 販売されている物品は精密な彫刻が施された木工品から携帯電話を入れる皮製品に至るまで多岐にわたっていました。しかも格安。大勢の来場者で賑わっていました。

 
 矯正展会場(5) 
赤城少年院の子供たちが生産したカボチャくん。何と!1つ100円。お土産に購入させて頂きました。


 前橋刑務所をはじめ、関東地区の刑務所の受刑者たちが制作した品々がたくさん販売されているのですが、私のお目当てはそれと並行して行われた所内見学でした 

 そして、もう一つが、昭和20年8月5日の前橋空襲の痕跡の有無を確かめること。同空襲の際、この刑務所の塀の中でたくさんの受刑者が亡くなられました。塀の中に閉じ込められ、逃げることも許されず、焼き殺された受刑者が大勢おられたそうです。合掌

 ところで、私は毎日、通勤時と帰宅時の2度、同刑務所の前を車で通ります。なので、赤レンガの塀は見慣れた景色です。

 でも、何度も何度も通過するなか、私のなかで疑問は膨らむばかり・・・

 「いったい塀の中はどうなっているんだろ?」

 「塀の中に前橋空襲の傷痕が遺されているだろうか?」

 
 所内見学の出入口付近
 
待ち時間50分。短気な私には過酷な時間でした。それでも、数年来の念願成就のために何とか耐えました  
 


 ぐんまちゃん(2)  並んでいたところ、ぐんまちゃんが歩いて参りました ぐんまちゃんにも休憩が必要みたいです


 
 ぐんまちゃん(3)  ぐんまちゃんの後ろ姿を初めて拝見させて頂きました。背中には「鶴舞うかたちの群馬県」が描かれていました。皆さんはご存知でしたか?
 
 
 AKGのメンバー さらに並んでいたところ、AKGの可愛らしい女の子たちが塀の中から出て参りました ということは、AKGは早朝より刑務所内で待機していた模様。オツトメご苦労様です。 なお、AKGは正式にはAKAGIDAN。私は今回初めて知りました


 待つこと50分。ようやく複数の係員(なぜか警備員)の案内に従い、他の大勢の来訪者と一緒に塀の中に入らせて頂きました。 


 一歩塀のなかに足を踏み入れたところ、そこはやはり異様な空間でした

 潜り抜けた狭い門扉の方角を振り返ると、塀の内側の高さ7~8m程上部には数本の金属線が真横に引かれていました(外からは見えません)。係員に質問できませんでしたが、それは紛れもなく受刑者の逃亡を未然に防ぐための仕掛けで、山奥で見掛けるイノシシ対策の電熱線のようなものに見えました。

 塀の中の写真撮影は禁止されていました。そこで以下、私が昨日見学させて頂いた施設をつたない文面で恐縮ですが、可能な限り詳しく紹介させて頂きます。
 
*** 磨人メモ:塀の中の世界 ~前橋刑務所~ ***

1 運動場(利根川河岸側に突き出した部分)

 狭い陸上トラックでした。最奥にバックネットがあり、球場も兼ねていました。受刑者は走ったり、散歩をしたり、ソフトボールをしたりするそうです。ただし、今日はイベント開催のため、所内で働く方々の車で埋まっていました。なお、運動場の南北と西の三方は高い塀ですが、東側は天辺が尖った鉄格子と鉄条網で封鎖されていました。

 
 前橋刑務所内の運動場 矯正展会場の展示物の一部です。

2 各種工場

 製材、彫刻、金属加工、営繕など、色々な作業場を見学させて頂きました。一見、普通の工場と変わりません。でも、目を凝らすと、やはりそこは異空間でした。
 とりわけ、どの作業場でも目立ったのが「交談禁止」の看板や貼り紙。つまり、作業中は一切受刑者通しの会話は許されません。また、作業机にはそれぞれ丁寧に四角く折り畳まれた作業着(上着)とその上に作業用の帽子が置かれていました。

 また、それぞれに付設されているトイレの様相は、極めて前近代的なものでした。とくに和式便器スペースの扉は腰の高さぐらいしかなく、外からほとんど丸見でした。


3 浴室

 細長い巨大な浴槽が2つ平行に設けられていました。お湯は循環式だそうです。90名の受刑者が同時に使用できるそうです。壁面に入浴に当たっての規則が厳格に掲示されていました。例えば、シャワーの制限時間(確か15秒まで)、かけ湯の回数制限(確か7回まで)など。なお、お湯はかけ捨てではなく循環式だそうです。 

 
 前橋刑務所内の浴場 これも矯正展会場の展示物の一部です。
  

4 体育館

 私は仕事柄、普段もっと広い体育館を見ているので、狭く感じました。それでも900人程収容できるそうです(ホントかよ?)。雨天時に受刑者が運動する場として使われるほか、慰問コンサートなどのイベントが開催されるそうです。入口に見知らぬ女性演歌歌手のポスターが掲示されていました。楽曲の名前は「放かす」。なんじゃ、それ?

 
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 入所(収監?)させて頂いたのはわずか30分程でしたが、わが国の社会秩序が、刑務所と俗世界を明確に隔てる、高くて分厚い塀で保たれている実態をつぶさに見学することができました。

 
 前橋刑務所の塀 高さは6~7ⅿありそうです。
 
 刑務所はブタ箱の異名をとりますが、その意味がよ~く分かりました。公共の福祉に反逆した人間の人権は明らかに厳しく制限されていました。殺人事件など重罪を犯した受刑者であれば、それはなおさらでしょう。

 また、最後に前橋空襲のことを係員に質問させて頂きましたが、回答は全く得られませんでした。後日仕切り直し、真相を究明したいと思います。

 最後の最後まで、だいぶ重々しい記事になってしまいましたが、お口直しに最後は塀の外で自由に泳ぐコイくんを紹介させて頂きます。

 塀の中の受刑者たちとはまるで正反対で、全く警戒心なし。のんびり水辺に浮かび、パクパクと大きな口を開けていました

 
 前橋刑務所北側の堀で泳ぐコイくん エサを持たない私でしたが、大勢のコイくんが次々に接近して参りました。コイくん。ゴメンナサイ 


 これからも塀の外でのびのび泳ぐコイくんのような私でありたい。そして皆さんも・・・


 ご訪問頂き、ありがとうございました。