赤城山西麓の隠れ家的名店「蕎麦処 めんこい」さん 

 相変わらず天気がサッパリしない日が続いていますが、代休日の昨日、久々赤城山西麓の農村内に佇む「蕎麦処めんこい」(渋川市北橘村)に出掛けました。実に3年ぶりの入店です。

 北群馬・渋川地域で十割のそばを手繰れる数少ないそば屋さんということで、以前から私が注目していたお店です。でも、近隣のそば屋さんで満たされていた私にとって、なかなか足が向かないお店でした。ガソリン台も高くなりましたし
 
 ところで、浮き沈みが厳しい飲食業界にあって、とりわけそば屋さんはそば自体の質の高さを目指せばその分だけ、経営は困難を極めます。

 エッ「あなた、何ワケの分かンないこと、言ってンの」ですって

 それじゃ、よーーーく私の講釈を聞いてくださいね

 そばは原料のそば粉の比率が高ければ高いほど高度な製麺技術が求められます。そのため、グルテンの比率が高い、すなわち質の良い国内産の高価なそば粉が原料として使われます。いくら技術が優れていても限界はありますから

 でも、いくらブランドの粉を使ってそばを打つからといって、世間一般に受け入れられる価格にできる限り近付けて提供しなければ売れません。

 つまり、旨いそばを打ちたい!そして、お客を喜ばせたい!でも実際に営業となると、そば屋は難しい。何しろ原料が高すぎ!味と営業は必ずしも両立しません

 
私は6年前にそば屋巡りを始めて以来、旨いのに残念ながら店を閉めてしまったそば屋さんをたくさん見て参りました。その最たる例は昭和村の「雅やん」さんでした。そばの味は絶品クラス。ご主人には年賀状まで頂いたことがありました。そして、肝心のそば粉は、何と!子持山麓で自家栽培したそばを石臼で自家製粉したもの。その全てが顧客をうならせる、とても贅沢なそば屋さんでした。それなのに・・・
 

 アッ!そば屋さんでも、飲食業者でもない私が、素人のくせにエラそうなことを口走ってしまいました。

 すみません


 それでは、本題に戻ります。


 今日は榛名山側から坂東橋を通って利根川を渡り、赤城山側へ

 ここは元々は北橘(きたたちばな)村といいました。現在は渋川市と合併し、渋川市北橘町となりました。ここまでくればお店まであとわずかです。

 (でも、もしかしたら閉店しているかも・・・)

 そんな思いが頭によぎるなか、坂東橋を渡ってすぐ左折。そのまま道なりに坂を上り切り、国道353号に突き当たって右折。すると、たちまち路傍に「そば うどん」と書かれた嬉しい幟が見えて参りました。ホッとした瞬間でした。何しろ3年ぶりですから。

 そして、幟が立つ小道を左折すると、「めんこい」さんが元気に営業中

 
 道路から見上げた店舗の佇まい 白地に「十割蕎麦」の幟が渋いです


 店舗の周辺 純農村のようなのどかな景色が広がっています。 


 決して立地に恵まれているとは言えない田舎のそば屋さんなのですが、3年の歳月を経ても健在でした 暖簾を見上げてホッと一つため息をつき、早速お邪魔することにしました。


 「めんこい」さんの店舗の佇まい
 入店時はPに車は2台だけでしたが、帰るときにはほぼ満車状態でした。あっぱれ!

 
 到着したのは正午前。早速、白い暖簾をくぐらせて頂きました。

 すると、玄関でデカいそばのこね鉢と綺麗なお花さんが私を迎えてくれました。

 
 そばの「こね鉢」とお花さん 私は大きなこね鉢が欲しくて堪らないんです。これがあればそば打ちのスキルも格段と上がるはず。でも値段が・・・

 
 店内の様子(1) 
客間が「く」の字型の変わった造りです。厨房からは死角になります。
 

                          
 店内の様子(2) 
厨房前にテーブル席もあります。変わったポジションにレジが置かれています(左端)


 こちらのお店は、ご主人と奥様の2人で経営されています。接客に慣れた、とても感じの良いご夫婦です。

   
 お品書き(1) 
うどんもあります。でも、あくまでもメインはそばのようです。


 
 「お品書き(1)」の拡大 
そばは「二八そば」か「十割そば」のどちらかを選びます。もちろん、十割でしょ  

   
 お品書き(2) 
「冷かけそば」ってどんな感じでしょうか?

  お品書き(3) 旨そうに撮れた天ぷらの写真を見て食欲がそそられ、減量中にも関わらず、つい天ぷらを頼んでしまいました 
 
  
 お品書き(4)  
お品書きの裏面です。写真を巧みに織り交ぜています。
 

 私が注文した「十割野菜天付もりそば」 当店の人気一番だそうです


 今回は「十割野菜天付もりそば」(1080円)を注文させて頂きました。

 出来上がりを待つ間、カメラをいじっていたところ、たちまち出来上がり。

 時間にして7~8分。はやっ 

 
 十割野菜天付もりそば(1080円) いやー、そばってホントにいいですね
 
 
 十割そば 
当店ご自慢の十割そばです。そばの香りはプンプンでした

 
 十割そば(拡大) 
おホシ様がキラキラしています。見た目的にも食欲がそそられます。課題はつゆの改良でしょう。何度もエラそうにすみません

 
 それでは頂きます

 うーーーん、ウマッ

 つながり具合にやや難があるものの、麺は太さが見事に揃っており、技術の高さを感じさせます。

 そして、大きな特徴は麺の表面が少しザラッとしている点。それが不思議なのど越しを醸し出してくれました。ちょっと喉元に引っ掛かった後で、井の中にストン!と落ちていくような感じです。

 ところで、どちらの粉を使っているのでしょうか?ご主人は来客の対応で忙しく、残念ながら尋ねることができませんでした。次回の楽しみに取っておくことにしました。
 
 
 そばつゆ 甘口ですが、ややしつこさを感じました。もう少しサッパリとした味付けが欲しい気がしました(もちろん、それは個人的な好みの問題です)。
 
 
 薬味 大根おろしと刻みネギ、おろしワサビでした。ワサビはチューブものだと思います。

 
 天ぷら 
インゲン、みずな?、サツマイモ、人参、タマネギの5品でした。

 
 お新香 
キュウリとたくあんの2品でした。


 そば湯 トロトロした濃厚なそば湯が楽しめました。最後はザラッとした、野性味あるそば湯でした


 ウーーーン、満足!

 そば湯を頂いていたところ、奥様から食後のコーヒーを勧められました。

 でも、断りました。実は私、コーヒーが駄目なんです

 でも、コーヒー党の方ならば二度楽しめるそば屋さん。それがこちらのお店です

 自信をもって読者の皆さんにおススメします

 手持ちのそばグルメブックによれば、こちらのご主人はサラリーマンを定年退職後にこちらのお店を開業したそうです。いわゆる第二の人生をそばで謳歌したいと決意され、それを実践されておられるわけです。すばらしい

 末永く営業を続けて欲しいと切に思います。なぜなら私も同じ夢を見たことがありましたから。

 がんばって めんこいさん 


 今回は以上です。ご訪問頂き、ありがとうございました。