携帯契約をするときの本人確認を非対面の場合マイナンバーカードを原則とするとメディアが報道しています。
IOT関連のオンラインメディア「ITmedia」でも報道していたので、こちらを参考にします。
「デジタル庁は6月18日、携帯電話契約時の本人確認について、オンラインなどの非対面の場合はマイナンバーカードのICチップを使った方法に原則一本化すると発表した。対面契約の場合も、マイナンバーカードなどのICチップ読み取りでの本人確認を義務化する。」
この記事の中に、河野大臣の記者会見の動画もあります。
この携帯電話契約時の本人確認の対応は、偽装した身分証明書で契約した携帯が詐欺などの犯罪に使用されないようにするためだそうです。そして、このニュースの取り上げ方、、表現がメディアによって様々なようで、「携帯電話契約時にマイナンバーカード必須」と受け取ってしまう人が多く、
「SNS上では、「マイナンバーカードは任意のはずなのに」「これではほとんど強制では」との批判が相次いだ」
と「AERA dot.」が報じています。
そこで、本当に「必須」なのか調べてみました。この情報の元は、6月18日に犯罪対策閣僚会議で決定した
「国民を詐欺から守るための総合対策」(PDF文書)
です。この中の関係部分、少し長いですが、
「3 「犯罪者のツールを奪う」ための対策」
「(1) 犯罪者グループ等が用いる電話に関する対策」
「ア 本人確認の実効性の確保に向けた取組」
「携帯電話や電話転送サービスの契約時の本人確認において、本人確認
書類の券面の偽変造による不正契約が相次いでいることから、犯罪収益
移転防止法、携帯電話不正利用防止法に基づく非対面の本人確認手
法は、マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化し、運転
免許証等を送信する方法や、顔写真のない本人確認書類等は廃止する。
対面でもマイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを犯罪収
益移転防止法及び携帯電話不正利用防止法の本人確認において義務付
ける。また、そのために必要なICチップ読み取りアプリ等の開発を検
討する。さらに、公的個人認証による本人確認を進める。」
とあります。要は、契約時の本人確認は2つ「非対面」、「対面」の場合があり、
「非対面」、オンラインの場合、
「マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化」
「対面」の場合、
「マイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを義務付ける」
となります。「対面の場合はマイナンバーカード以外のICチップ情報であればよい」ということです。しかし、「非対面」の場合でも「マイナンバーカード以外のICチップ情報」でもいいと思えるのですが。
そして、「AERA dot.」がデジタル庁に問い合わせると、
「”非対面”での携帯電話の契約などで、本人確認をマイナンバーのICチップに一本化することは考えていません」
「政府側の伝え方が悪かったことで、一部のメディアがミスリードしてしまった側面がある」
「これから具体的な内容を検討し、国民の皆さまが安心できるようなシステムを作ります」
と回答したそうです。「国民を詐欺から守るための総合対策」そのままです。
デジタル庁は「国民の皆さまが安心できるようなシステムを作ります」と言ってますが、今までも健康保険証の問題なども強引に進めた経緯があるので、私は信用できません。トップが河野大臣なので余計です。誰かが言ったアイデアにほいほい乗っかかるだけの人だと感じているので。
「AERA dot.」も、
「疑問なのは、なぜICチップによる本人確認がマイナンバーカードに限定されているのか」
「2022年12月時点で約8200万人が取得済みとされる運転免許証で本人確認をすることが、詐欺防止の観点からも理にかなっていると考える」
と疑問を呈しています。そして、経済ジャーナリストの荻原博子氏は、
「運転免許証にもICチップが入っているのだから、それを読み取ることを義務付けたらいいだけのことです。iPhoneからでも読み取りは可能です。政府はマイナンバーカードのICチップを読み取る専用アプリを開発するとのことですが、そうなると導入まで時間もかかります。それまで詐欺被害を野放しにするつもりでしょうか。マイナンバーカードを普及させるために、政府はすでに1兆1700億円もの税金を使っています。それなのに、マイナンバーカードのICチップを読み取る機械の普及や偽造防止などの対策すら追いついていないのが現状です。政府の行き過ぎたマイナンバーカード普及策に国民は振り回されています」
と指摘しています。
また、メーカー、システム会社、ソフトウエア会社に利益誘導しているだけなんですよね。コンビニの住民票取得、しかり。マイナンバーカードの健康保険証化、しかり。そのたびに、スケジュールの読みも甘いし、問題も起こしています。
デジタル技術は今は「インフラ」です。なくてはならない、必須のものですが、表に出てくること、一般の人がはっきりとわかることは珍しいです。携帯電話はネットワークが必須です。身近で行くと、送信受信アンテナ、そしてその基地局があるのですが、一般人にはどこにあるのかよくわからないはずです。スマホの中にもアンテナがあります。発振回路があり、ICがあり、基本ソフト、アプリがあります。イメージはわかりますがよくわからないはずです。
そういったデジタル技術の推進、利用をメインの仕事にしているデジタル庁も同じです。他の官庁の仕事もよくわからないのです。デジタル庁の仕事なんか一般人が見える、わかるはずがありません。それでは、国民から仕事をしていないと思われるのが嫌なのか、マイナンバーカードに固執している、と私の目には映るのです。
「最近、なんだか生活がやりやすくなった」と感じるようにさせるのがデジタル庁の仕事だと私は考えるのですが。毎回「何々するぞ」と宣言して批判されるのではなく。