価格転嫁、それから賃金上昇が最近話題です。
どちらも上昇するのはいいことかもしれませんが、私には暗い未来しか見えません。私には理解できないと言った方がいいです。経済は素人ですから。
「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」という構図しか見えないのです。

今の物価上昇にはいろいろあるようです。石油などのエネルギーの輸入価格が上昇したため等々。
原材料費、水道光熱費が上がっているのに、他の条件が同じで、製品価格が同じであれば利益が減ることになります。当たり前ですね。

ここで、

1. 一番早く価格を上げることができる企業
2. 少し遅れて価格を上げることができる企業
3. 一番遅く価格を上げることができる企業

を考えます。会社の貯えは同じだったとします。

全ての会社で貯えがなくなる前に値上げがすれば利益が出るので貯えができるようになります。借金ができない、資本が投入されないとすると、貯えがなくなる前に価格を上げることができなければ廃業になります。これは、1~3、どの場合も同じです。

ところが、今の世の中を見てみると、1が大企業、2、3が中小企業という構図です。そして、2、3の企業は、大企業の影響で価格を上げるタイミングを自分で決めることができないことが多いです。
そうなると、貯えを消費していくことになります。貯えがなくなる前に価格を上げることができても、貯えは 1>2>3 のようになります。その後利益が出るようになってもこの差は変わりません。利益が同じだとすると。

これが何度も起きれば、この差は大きくなります。そのうち価格を上げるまでの期間が貯えを上回れば廃業、市場からの退場です。

これは、人にも言えます。個人の場合は、娯楽費、食費とかを削って耐えようとするでしょうが、給料、売り上げが上がらなければ破産です。そして、給料が上がるのは物価が上がった後です。今回もそうです。アベノミクスで業績が良かった時も企業の内部留保は増えましたが、賃金の上昇はわずかでした。1>2>3の差は増える一方なのです。

私にはこのようにしか理解できません。違うんですかね。仮定がおかしいのであれば、どう仮定するべきなのでしょうか?


これを避けるには、企業ではプライスリーダーとなる製品、サービスを提供することです。他社では提供できない製品、サービスにすることなのです。そのために、「イノベーション」がもてはやされるのです。
昨日のブログのホテルの価格は価格の決定権を、コロナ前はどちらかというと宿泊者、旅行会社が決めていたものをホテル側が取り戻しているといういい例だと思います。ここで、稼働率よりも質を重視した戦略に変更したことはホテル側にとっては良い選択だったと思います。また、コロナのようなことがまた発生してもよいようにと考えているのでしょう。
これは旅行支援も大きな役割を果たしたと思います。補助があるために、価格が上がっているにも関わらず手出しの金額が変わらず、その上?円安くなったという割安感も出ていたので。国の政策で利益構造を変えることができる例ですね。