公正取引委員会が日産自動車に対して、納入時に支払う代金を一方的に引き下げたとして再発防止などを求める勧告をしたそうです。

日産自動車に勧告 下請け法に違反 代金を一方的に引き下げ

不正なことをしていたようですね。この問題にもいろいろ考えさせられることがありますが、私がまず気になったのが日産自動車が発表したコメントです。

「役員や下請取引に関わる従業員への教育の徹底及び定期的な研修の実施など」

というところです。「一部の社員だけの問題だ」と言っているように感じました。そうではなく、社の風土、雰囲気がそういう傾向ではなかったのかと思うのですが。
というか、別に日産自動車だけでなく日本全体にはびこっている雰囲気ではないでしょうか。「見つからなければ」、「知られなければ」、「見つかっても非が明らかにならなければ」、何をやってもいいという雰囲気があります。そうやって全体の品性が落ちています。

これは、テレビ、新聞等でほぼ毎日犯罪の報道があり、その中で、

犯した罪を認めない、
言い訳をする、
犯罪者に対しては何をしてもよい、
相手(犯罪者)が悪いのだから自分が悪いことをしても許される、

というような言動、行為を見せられているためではないでしょうか。今回の「安部派政治資金パーティーのキックバック問題」も一つです。
何度も何度も見せられて、潜在意識に刷り込まれてしまう。そして、良いこと、悪いことが曖昧になってしまう。悪いという意識もなく犯罪を起こしてしまう。世の中全体がそうなってしまっているのではないでしょうか。

これは別に今の問題を言っているわけではありません。昭和の時代から政治家の、企業の不祥事はたくさんありましたし、いろんな犯罪もありました。「今の若者は」という言葉はいつの時代でも言われてきたことです。犯罪者は若者もいますし、老人もいました。その時々の。
何度も何度も見せられて代々受け継がれてきたのではないでしょうか。そして、その時々に犯罪者だけを非難してきました。

犯罪者を非難するだけでは片手落ちなんです。
そのようなことが起きないようにどうすればよいかという前向きな対応をしていくべきでないでしょうか。犯罪者には反省を促すべきですが、非難だけをするべきではない。自分が正しいと思ってしまうので中々難しいのですが。偶然その立場になかったからだけです。
私も、日産自動車の社員で同じ立場にいたら同じことをしたと思います。同調圧力もありますし。恥ずかしながら「見つからなければ」で犯したものもありますので。反省してます。

映画では年齢制限対応が実施されていますが、それだけでは不十分です。
とりあえず私としては、「報道される立場にいる人はそれを認識して行動してほしい。報道する側はどう受け取られるか、どんな影響があるのかを考えて報道してほしい。」と思います。