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赤十字国際ニュース 第34号(通巻第815号)


赤十字国際ニュース(速報2:キルギス民族衝突) 受信トレイ

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赤十字国際ニュース 第34号(通巻第815号)

□□■□□ +++ Together for humanity +++
□■■■□  ~人間を救うのは、人間だ~
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発行日:2010年6月16日
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(速報2)キルギス民族衝突:赤十字の救援活動が本格化
─日本赤十字社はICRCに約540万円の資金援助を決定─


中央アジアのキルギス共和国南部で起きた民族間の衝突は、軍の投入に
より事態は鎮静化しつつありますが、キルギス暫定政府の発表では死者は
179人、負傷者は1,800人以上であり、今後も被災者数は増える見込みです。
民族衝突の巻き添えを逃れて、家を離れた避難民は30万人とも言われて
います。隣国ウズベキスン共和国に流出した人数は75,000人にのぼり、
多くは女性や子ども、負傷した人たちです。キルギスは国境寄りのアン
ジジャン州、フェルガナ州、マルギラン州の7カ所で避難民の受け入れを
行っています。
国際社会は今回の衝突を人道的危機と捉え、援助活動を展開し始めてい
ます。


■ 赤十字が共同声明を発表
赤十字国際委員会(ICRC)と国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)および
キルギスタン赤新月社は、6月15日に今回の事態に対する遺憾の意を表し、
赤十字として被災者を支援することを表明しました。
すでに今年4月に開催された赤十字ヨーロッパ地域会議の場で、3者は
キルギスの支援に対する連携について協定書に署名をしており、キルギス
に人道危機が起こった際には効率的な人道援助活動が行えるよう調整し、
赤十字全体で対応することとしていました。


■ 赤十字運動としての活動
ICRCは、6月14日に被災者救援のための暫定アピールを発出し、今後1カ
月間で10万人を対象に負傷者の手当てや食料など救援物資の支援、遺体処
理袋の配布などを行っていく予定です。これまでに発表したアピールと合
わせて総額2,050万スイスフラン(約16億5,000万円)の支援を要請してい
ます。
先週一週間でICRCとキルギスタン赤新月社は16カ所の医療機関で1,130人
の治療にあたり、混乱が治まり始めた15日にはジャララバードの主要病院
に医療チームを派遣し、医療資機材を提供しました。また、2万世帯分の救
援物資がオシに向かっています。
現在、ICRCは安否調査や給水、救援活動の専門家からなる調査チームを
派遣し、より詳細な活動計画を立てています。
ウズベキスタンにもICRCはスタッフを派遣、救援物資を輸送し、ウズベ
キスタン赤新月社と共に活動を開始しました。ウズベキスタン政府からの
要請を受け、ICRCはアンジジャン州にある5つの難民キャンプの調査も行っ
ています。

IFRCはウズベキスタンとキルギスにスタッフを派遣し、それぞれの国の
赤新月社、ICRCと今後の活動について協議しています。6月15日には緊急時
の初動調査を行うFACTチーム(Field Assessment and Coordination Teams)
の派遣を決定。被災状況とニーズ調査を行った上で、主にウズベキスタン
における難民支援のために、一両日中に緊急救援アピールを発出するよう
準備を進めています。


■ 日本赤十字社の動き
日本赤十字社はICRCのアピールに対して約540万円の資金援助を行うこと
を決定しました。IFRC発出予定のアピールに対しても具体的な活動内容が分
かり次第、対応することとして準備を整えています。
引き続きICRCやIFRCと密に連絡を取りつつ、今後の支援策を検討していき
ます。


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発行者:日本赤十字社事業局国際部 
〒105-8521 東京都港区芝大門1-1-3
電話:03-3437-7087
FAX:03-3435-8509
E-mail:kokusai@jrc.or.jp
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