戦国BASARA3 真田幸村の章 (講談社BOX)/野崎 雅人

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※ネタバレ注意









さて長かった『戦国BASARA3』の公式小説シリーズも最後です。
そしてそれに合わせたような大団円「みんなでハッピーエンド」なお話でした。
キャラクターも今までに無いくらい大勢出演していますし、
それでいて誰も死なない、まさにフィナーレって感じでした。

では恒例のキャラクター別感想を
上記にもありますがキャラがとにかく多いので重要な子と気になる子だけ。





真田幸村
かわいい!超お馬鹿!そしてかっこいい!
主人公主人公してます。佐助とのコントが面白かったのと慶次との絡みが笑えました。
幸村さん、慶次にかなり毒舌で一部黒村になってないか?w
ゲームでは家康に優位に立たれっぱなしですが、
この小説では家康を説得というか言いくるめるというか、
割とズカズカものを言いに行ってたのもスカッとしました。
そしてすごく皆から愛されてました。
アニキや九州勢ともどんどん仲良くなって交友関係が広がってました。


猿飛佐助
佐助…ホントにお疲れ様。
幸村にやれ腹減った何か食わせろだのさくっとワサビ探して来いだの
無理難題吹っ掛けられても健気にがんばる姿が涙を誘います。
それでも幸村に付いていく姿、そして対等に話す姿が良い。
真田主従2人でかすがからかうところは笑いました。
ただ後半はちょっと影薄めかもしれない。


かすが
出番多し。愛されてます。そしてとてもかわいい。
幸村にかすが殿の普段着は破廉恥って面と向かって言われているのに大爆笑しました。
真田主従や慶次にちょっかい出され、謙信様に守られ、ヒロインですね。
筆頭に凹られたところに颯爽と謙信様が助けに来た時にゃ
かすがちゃん、報われたなぁと。


前田慶次
色ボケ野郎めww
幸村に終始つめた~い目で見られてましてね…。
美女(孫市)目当てで雑賀に行った時の幸村の反応ときたら。
でも割と出番多く、いいポジだったように思います。


雑賀孫市
幸村の漢気に絆され武田軍に組します。
お金がなくて雇えない!って困る真田主従に
2刻、銃を打ち続ける私から逃げ切ったら雇われてやる
って提言する姐さま…発想が怖いです。


石田三成
「従属しろ」と高圧的な態度のせいで多くの大名から同盟を断られ、
天海様の謀略もあってかこの話ではものすごく孤立してました。
ただ最初から分割統治計画(※)に組み込まれていたので、
最終的には他の武将の力添えで秀吉様をふっきって生き延びましたけれど。


徳川家康
正直最後に納得がいかん!!
家康さん勝ってもいないのに信玄と謙信から次世代託されてたのはね。
とは言っても最終的に日ノ本は分割統治されることになるので(※)
家康さん一人勝ちではなかったのですが。


伊達政宗
出番あまりなかったような、印象が薄い…。
幸村に一度勝つんですけど、結局再戦せず謙信様に惨敗。
あっさり最後は退場してしまいます。
あうう…筆頭の活躍もっと見たかったのに…。


お市
長政様を求めてさまよう姿が痛ましかったです。
でも長政様のことホントに好きなんだなって伝わってきたのにはキュンと。
南部さんのとこ行って長政様呼び戻して欲しいって頼みに行ってたり、
長政様と暮らした城跡を訪れたり、浅井夫婦要素いっぱいでした。


天海
今回も信長公を求めてひっかきまわして行った人。
半分くらい関ヶ原や大阪の陣を起こす原因になってます。
あとこのお話では家康の下に仕えてるのは史実からかな?
家康は天海様を同盟の使者として毛利のとことかに遣わせてたみたいです。


黒田官兵衛
あの毛利が「竹中半兵衛亡き今、日ノ本を動かす策を練られるのは、かの男だけ」
って言う程度に高く評価されてます、このお話のクロカン。すげぇ。
その上瀬戸内・九州動乱の黒幕というなかなかの役回り。
大物智将として扱われてます。良かったなぁクロカン(;д;)


長曾我部元親
アニキは小説ではホントかっこいいな(爆)
今回もマジ兄貴なアニキで幸村にも兄貴面してます。
ただ佐助がいなきゃ毛利の罠にまんまとハマっちゃったであろう所は『3』踏襲してるかな?
アニキはどの小説でも輝いてたぜー!


毛利元就
「長曾我部とは違う軍に入ってやるんだからねっ」と宣言して退場した人。
幸村との大鏡前のやりとりは弐12話を彷彿とさせる演出でしたw
そして上の宣言通り、このお話の毛利さんは東軍です。
大鏡の前で舞を舞う(実際にそう書かれてます)毛利さん、
策が成功しそうなのでテンション上がっちゃったんですかね…。


武田信玄/上杉謙信
このお話最大の黒幕です。
全ては、自分たちから若い大名たちにバトンタッチするために、
川中島夫婦が仕組んだことだったってわけです。
そして最後は家康も幸村も三成も政宗も押さえ込み、
日ノ本分割統治(※)を約束させようとするんです。
最後まで描かれていませんが、きっと最終的にこの計画は成功したのでしょう。
さてこの分割統治(※)の詳細は↓に。





(※)分割統治について
川中島夫婦がたくらんだのは、日ノ本を四つに分けて、
それぞれの地域をそこにいる大名同士が同盟し統治すること。
(なお原案はクロカンで、天海様がそれを信玄に伝えます)
つまり、

・東北関東   →伊達・徳川同盟
・中部     →武田・上杉同盟
・近畿中国四国 →石田・毛利・長曾我部同盟
・九州     →大友・島津同盟

ということでした。
そしておそらく、大団円のラストの後この計画は実行に移されます。
本当の日ノ本の平和が訪れるラストなのです。

今まで小説シリーズの中で具体的な未来図は描かれたことなかったですよね。
今回、幸村の章にて初めて、明確なビジョンが提示されたわけです。
私はこの事にすごく感動、というか驚きました。
なんせ「俺たちの戦国はこれからだ!」エンドばかり見てきたので…。


ヒソッ実は天海様のことだけは解決してなかったりするんですが、まぁそこはご愛嬌。