太平洋戦争で日本と戦ったアメリカ人・ジョージ・A・ファーネス。
召集以前、法律を学び弁護士だった彼は、戦後"東京裁判"で敵国であった日本側を弁護することになります。

大戦中に外務大臣を務め、終戦時に政府全権の代表として、降伏文書に調印した重光葵。

重光は開戦時に「日本は卑しくも東亜民族を踏み台にしてこれを圧迫し、その利益を侵害してはならない。なぜならば武力的発展は東亜民族の了解を得ることができぬからである」と述べたり、東條内閣の大東亜省設置に反対した人物でもあり、GHQは戦犯として起訴する意思はありませんでした。
しかし、ソ連の強引な要求によりA級戦犯とされてしまいます。

ジョージ・ファーネスは、この裁判が「戦勝国ではなく、中立国の代表が当たるべき」と主張しますが、結局、重光は有罪となってしまいます。
イメージ 1

しかしA級戦犯でも最も軽い禁固7年という判決であり、4年7ヵ月の服役の後、仮釈放されています。

ジョージ・ファーネスはその後も日本にとどまり、法律事務所を開設。
また数本の映画にも出演しました。

ここでは彼が出演した東宝特撮映画を紹介します。

まず『地球防衛軍 』(1957年) 。
地球侵略をもくろむミステリアンと地球防衛軍の闘いを描いた作品。
イメージ 3

ジョージ・ファーネス演じるリチャードソン博士はミステリアンを倒す決定打・マーカライトをインメルマン博士らとともに開発。ミステリアンの侵略を阻止します。


そして『妖星ゴラス』(1962年)。
謎の天体ゴラスが地球に接近。このままでは衝突して、地球は破滅。
ジョージ・ファーネス扮するフーバーマン博士たちは南極に何本ものロケット推進装置を作り、その力で地球そのものの軌道を変えることになります。
イメージ 2

ロケット推進装置の秒読みが始まった。3,2,1,0!
スイッチを入れるフーバーマン博士。

裁判で日本を救い切れなかった彼は、映画の中で日本を、そして世界を救ってくれました(^^