2006年4月29日、ひとりの俳優が亡くなられました
沼田曜一。1924年生まれ。享年81歳。

1949年、東映の全身である東横映画の「日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声」でデビュー(正確には同年にやはり東横より公開された「獄門島」シリーズが本当の意味でのデビュー作)し、1953年には新東宝に移籍、多くの作品に出演しました。
なかでもカルト的人気をもつ中川信夫監督の「地獄」(1960年)の田村役は語り草となっています。(ちなみに「地獄」は79年に神代辰巳、02年には石井輝男というこれまたカルト監督たちによってリメイクされています。)

新東宝倒産後も古巣の東映映画をはじめテレビなどで活躍、また民話の語りべとして多くの著作をもち、舞台「ふるさと愛の民話劇場」は『文化庁芸術祭優秀賞』、『厚生省児童福祉文化賞』を受賞しています。

近年は、大ヒットした「リング」シリーズでも好演。遺作となった「修羅雪姫」(2001年)では釈由美子とともにすばらしいアクションも見せてくれました。(このときの武術指導はドニー・イェン!)

それでは沼田曜一の劇場作品をいくつか紹介しましょう。
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家光暗殺騒動を描く「怪異宇都宮釣天井」では将軍家光 役。

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「女競輪王」の競輪チャンピオン・倉本。

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「殺人犯 七つの顔」より。新聞記者・杉本。 

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「九十九本目の生娘 」より。神社の宮司・弓削部宗晴。
ちなみに「九十九本目の生娘 」は諸般の事情により現在見ることが出来ない幻の作品。いずれ紹介したいとおもいます。

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「太平洋戦争 謎の戦艦陸奥」より。平野艦長。

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「スパイと貞操」より。小坂憲兵少尉。

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「地獄」。謎の男・田村。
これを見ずして日本の恐怖映画は語れません!

以上、新東宝作品でした。では、その後の作品をちょっとだけ…
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「黄金バット」では悪の手下・ケロイド。

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「女囚701号さそり」では極悪看守・蘇我役。

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「修羅雪姫」より。修羅雪に母の死の真実を語る男・空暇。

あ~、まだまだいっぱいあるんだけど紹介しきれないっ!
それにしても亡くなった日の新聞記事、どの紙面にも新東宝については触れられていませんでした。「東映任侠映画で活躍」なんて堂々と書いてる記事もあったけど、約100本の出演作品のうち東映任侠映画は10本もないのにね~。
新東宝時代には主演作もいっぱいあるのにっ!やっぱり"新東宝"はこのまま葬られてしまうのでせうか…

さて、沼田さん。特撮番組にもたくさん出演してます!
ということで次回は沼田さんのTV作品…っていうか特撮作品を紹介します。