大丈夫なのさ。

ある日、生活が一変する。

例えば、飼い主が引っ越して、置き去りにされる。

ある日、年老いた飼い主が入院して、

そのまま帰って来ない。

ジージョとロージーの里親さんは、

突然、お姉さんを亡くされた。

お姉さんはかわいいキジトラを飼っていた。

キジトラはお姉さんにしか懐いていなかった。

キジトラはお姉さんの部屋の前で、ずっと

お姉さんを呼び続けた。

もう、お姉さんに抱っこしてもらう事もない。

もう、お姉さんに優しく話しかけてもらう事もない。

もう、お姉さんに撫でてもらう事もない。

ジージョとロージーの里親さんは、

キジトラを引き取った。

新しい猫を我が家に入れる時は、不安がいっぱい。

ただただ、キジトラがさみしくないよう、

怖いおもいをしないよう、

静かに、少しづつ見守った。

小さなキジトラ、ニーナは、

暖かいおうちに少しづつ慣れて行く。

シャー！もするし、

ぱん！もする。

でも、新しい飼い主さんと、その息子さんは、ぱん！さえも可愛いそうだ。

こんなに猫に好かれるお兄ちゃんだもの。

きっと、大丈夫なのさ。

猫は、今が幸せならば、

昔のことは、忘れるのさ。

愛情は、全てをつつみこむ！

見返りを求めない気持ちこそが、

愛なんだなあ～。

だから、きっと、大丈夫。

ニーナは、むかしを忘れられる。