火打石と火打鎌での火熾しに挑戦
私はキャンプでの火熾しはずっとライターでやってきました。火打石やファイヤスターターでの火熾しに興味がなかったわけではなくいずれは・・・と思っていたところに、グッとくる火打ち金を見つけてしまいました。
寸法:70mm × 21mm × 6mm(実測値)
材質:鋼
工法:手打ち鍛造
本品は手打ち鍛造で鍛えた火打鎌。要するに細長い鋼の板で、別に手打ちであろうがなかろうが火花を飛ばす機能には関係ないと思うものの、私は『手打ち鍛造』や『職人の手仕事』などという言葉にきわめて弱く、ナイフにしても鉄板にしても手打ちと聞くととにかく欲しくなってしまいます。この火打鎌で火熾しをやってみたくなりました。
チャークロスを作ってみた
さて、火打鎌は入手したものの、火熾しにはチャークロスと火打石が必要です。火打石はいずれ自分で拾いに行きたいとは思っていますが、さしあたりはフリマサイトでメノウを購入。あとは布を炭化させたチャークロスが必要で、これは自作にチャレンジ。缶に綿の布を入れて不完全燃焼させればよいとのことです。
缶には煙抜きの小さな穴をあけます。そこに切った綿布を入れてガスバーナーを弱火にして炙ります。ほどなく開けた小穴から煙が上がります。私の用意した缶はスライド蓋式の密閉性があまりよくないものだったのですき間から火が上がってしまいました。これを吹き消しつつ、なるべくガスの火を小さくして煙が出なくなるまで15分ほど加熱。火からおろして冷めるまで放置。開けてみると白い布が真っ黒になっていました。
試してみた
さて、火打石と火打鎌での火熾しをしてみます。
まず、チャークロスについた小さな種火を炎にするために、麻ひもをほぐした火口を枯葉でくるんで用意。それはすぐに燃え尽きてしまうのでフェザースティックもしくは焚き付け用の薪を細く割ったものも準備しておきます。
左手にチャークロスを乗せた火打石を持ち、右手で持った火打鎌を火打石に擦るように当てます。火打石の火花が飛びやすいところを探しながら何度も打ちました。チャークロスは繊細で壊れやすいので、何度も打つとボロボロになってしまいます。試すこと数分、ようやくに火花がチャークロスに移って小さな火種ができました。
チャークロスの火種を麻の火口でくるんでそっと息を吹きかけると徐々に煙が上がりついには発火しました。これで火が付くというのはなかなか感動的な体験です。火打石のコンディションやチャークロスの材質選び・加熱時間、火打鎌の打ち方などまだまだ改善の余地があると思います。これからもう少し突き詰めていきたいと思います。