ベランダのヘリに布団を干してきたら、いきなり怒鳴り込んできた恐ろしい隣人は、その後も私の日常を脅かし続けています。
夕方の犬散歩を終えて、マンションの入り口に戻ってきた時のこと。特に天気のいい日は、犬もすぐに入りたがらないのです。駄々をこねて入り口で座り込んだり、もっと歩こうとしたりします。
その日も犬はすぐに入りたがらず、だからと言ってさらに歩くわけでもなし。そこで私は軽い気持ちで、マンションの横にある駐車場に入っていきました。ちょっと歩いてすぐ出るつもりだったのですけど、ふと見ると正面に恐ろしい隣人がいて、こっちをにらんでいるのです。
先日、怒鳴り込んでできた時は、幸いモニター越しだったため、顔の下半分しか見えませんでした。しかし、今度は顔が全て見えます。いや、顔だけでなく全身が見えました。それがまた恐ろしいものだったのです。
頭頂部は禿げています。それなのにロン毛。つまり落武者状態ですね。それだけでも恐ろしいのに、何とも言えない顔です・・・正確には、恐ろしくて正視できなかったため、顔はしっかりとは見ませんでした。だから恐ろしいというのは印象です。
その恐ろしい印象を倍増してるのが服装です。なんと言うか、タリバンの幹部のような服装なのです。緩めの上下に不思議なベスト。一体どこで買ったのかというか、どこで売っているのか。
とにかく、そういう恐ろしげな風貌でこちらにらんでいるのですから、私は内心「しまった!」と思いました。怒鳴り込まれた時、こちらの顔は見えなかったはずなので、特定はされていないと思うのですけど、もう怖くて。
でも、すぐに引き返すと悪いことをしたみたいなので、勇気を奮って少し歩き、駐車場の奥を確認するフリをしてから、駐車場を出ていきました。私としては精一杯の示威行為でした。でも部屋に入ったとたん、心臓がバクバク言っているのに気づいて、倒れ込んでしまいました。
そのあとで人から聞いたところによると、以前、警察が家宅捜査に来たこともあったとか。そんな人が隣にいたなんて。あの土地、「500万円で買わないか」と、前の持ち主から我がマンションの管理組合に声がかかったそうなんです。
500万円なら買っておけば、駐車場にでもして、少しは我がおんぼろマンションの修繕積立金にでもなったのに。当時の管理組合の責任を問いたいです。マンションを買う際は、必ず隣人を確かめることをおすすめします。家の状態を見るだけでも、けっこうわかりますよね。