家族で応援しているサッカーのチームがある。
このチームは、Jリーグ創設当初、誰もが知るスター選手がたくさんいて
最強のチームだった。
そこから様々な歴史を経て、現在リーグの上位に位置している。
このチームを語る時、よく言われるのが
「資金力はリーグ最下位、育成力はナンバーワン」
という特徴だ。
つまり
得点を量産するようなスター選手を、
資金で集めることはできない。
その代わりに、
まだ磨かれていない原石を見つけ出し
若手を育て、あるいは他のチームで
結果をだせなかった選手を
「こんな選手だった?」
と思わせるほどに成長させる力がある。
けれど、サッカーの世界はシビアだ。
そうして輝きを放ち始めた選手たちは、
高い評価とともに、次々と他チームへ移籍していく。
いわばこのチームは、
せっかく育った選手が刈り取られていく
「草刈場」のような存在でもある。
それでも監督は、こう語る。
『その時こそが成長のチャンスだ』と。
主力が抜ければ、ポジションは空く。
その席を巡って競争が生まれれば、
「自分の席が保証されている」という感覚は皆無だろう。
でも同時に
そこには、常に新しいチャンスが生まれている。
このチームは、常に循環している。
人が入れ替わるたびに、
新しい空気が供給され、選手同士が自然と高め合う環境が作られていく。
自分のポジションは、自分で掴み取るもの。
そのための準備を、誰も怠らない。
そして何より印象的なのは、
監督が
ファンやサポーター、会場を整備してくださる方々にまで
丁寧に感謝を伝えていることだ。
このチームは、ピッチの中だけでなく
関わる全ての人で成り立っている。
そんな一体感を感じさせてくれる。
「ピンチはチャンス」
それを言葉ではなく、
”構造として”目の前で見せてくれるチームだからこそ、
多くの人が、惹きつけられるのだと思う。