結婚生活は、夫婦が協力して家事や育児などの責任を分担することが必要です。しかし、どのように役割分担をするかは、夫婦によって異なります。一般的には、自分が得意なことや好きなことをするという方法がありますが、これは必ずしも効率的ではありません。なぜなら、自分が得意なことや好きなことは、相手も得意だったり好きだったりする可能性があるからです。その場合、自分がやることになると、相手の能力や時間を無駄にすることになります。

そこで、経済学の比較優位の考え方を活かすという方法があります。比較優位とは、自分が相手よりも相対的に得意なことや効率的にできることをいう概念です。例えば、夫が料理に1時間かかり、掃除に30分かかるとします。妻も料理に1時間かかり、掃除に30分かかるとします。この場合、夫婦の合計で料理に2時間、掃除に1時間かかります。しかし、もし夫が掃除を2回やり、妻が料理を2回やるとしたらどうでしょうか。この場合、夫婦の合計で料理に2時間、掃除に1時間かかりますが、夫は掃除に1時間しか使わず、妻は料理に1時間しか使わず、それぞれ1時間の余裕ができます。つまり、同じ仕事量でも、夫婦の合計で2時間の時間を節約できるのです。

このように、比較優位の考え方を活かすと、結婚生活の役割分担を効率的にすることができます。もちろん、これはあくまで理論的な例であり、実際には夫婦の好みや感情なども考慮しなければなりません。しかし、比較優位の考え方を知っておくと、結婚生活の役割分担について話し合う際に参考になるでしょう。