電子書籍出版で作家を名乗っている私が言うのもアレですが、電子書籍出版を続けられる人って相応の才能が必要だと思っています。
始めること自体は超ハードルが低い。「初期投資0」「在庫コスト0」「ファイルをアップして設定するだけ」です。その点に関しては「誰にでも『始められる』」とは思います。
でも、この世界続けるのが大変なんです。
電子書籍を出し続けるのが大変。
多くのチャレンジャーたちは「本を出したものの売れない」という壁にぶつかって電子書籍に見切りをつけます(挫折するとも言う)。
だからこそ「続けられる人」にはそれなりの才能があるのだと、実際私も続けてみて思います。
「続けられる人」は「思ったほど売れない」という現実を一回立ち止まって考えてみる。
もちろん「自分の作品が下手なのではないか」などと自分の執筆の能力も疑います。
でも、それだけではない。
「売れない理由は自分が売れる場所にいないからだ」
自分の書く能力を疑うだけでなく、同時に「本の流通」にも目を向け始める。
そして「じゃあ売れる場所に出すにはどうしたらいいのか」と考え、実行していく。
電子書籍に限らず、書籍の流通って作品の技術だけでなく実はここを考えなきゃいけないんだと思います。
それこそ技術云々が語られるのは売れる流れに乗って売れるようになってからの話だったりもする。(もちろん売れる流れに乗るためには技術が必要だとも思っていますが)
一見「KDPを使ってファイルをアップロードするだけ」のように見えるアマゾンの電子書籍ですが、それだけだと絶対売れません。
「書籍の流通」に目を向けて、「売るための努力」をしていかないと。
だからこそ私は「電子書籍出版が続けられる人には書くだけの才能では足りない」と言います。
出して、「売上0」の現実を見て、そこから「どう売るか」を考えられる人が、「電子書籍を続けられる人」なのだと。