先日ピアノのとある先生が
「私たちの仕事は音楽の良い聴衆を作ることでもある」
というお話をされているのを聞いて、あぁなるほど確かにな、と思いました。
ピアノを弾けるようにすることはもちろん
音楽を聴いたりコンサートホールへ足を運んだり
そういう「音楽を一生好きで楽しめる人」を育てるのだと。
私の学生時代をちょっと振り返ると、
ピアノを弾くことは好きでしたが、音楽のこと、作曲家や作品のことも知らないことばかりでした。
特に音楽史でいうと、
大学の音楽科は基本的な音楽史はもうすでに入学前に「学習済み」とみなされ進んでいきますし
そこに教えてくださる先生のマニアックな専門分野も加わるので
普通高校出身の私には大学の授業の「音楽史」は大筋を捉えることができず、いきなり難しくちんぷんかんぷんでした。
基本的な作曲家のことや作品のこと、音楽史の流れは教員採用試験の勉強をしながら、音楽史の本を読んで1からやり直したという感じです。
そこで一番「この作曲家好きだな」と思ったのはシューベルト。
人見知りで内気な性格で、
父親が校長を務めていた小学校で教鞭を執るも、性格に合わずにやめてしまう。
18歳で有名な「野ばら」「魔王」などを作曲するが、自分の作品を高く売りつけるようなことはしなかった。
友人たちの援助を受けながら、貧乏しながらの生活だったようですが
シューベルトの作品の素朴な美しさが、彼の決して器用とはいえない生き方、内面から湧いてきたものなのかと思うととても好感を持てました。
(多分自分も不器用だからだと思う)
作曲家の人柄や生きた時代、というかどんな生き方をしていたのか知ると
「名前を聞いたことがある」という段階から
「どんな人か知っている」段階に上がり、
さらに自分がその人に対してどう思うか、という気持ちも加わるので
より親しみや親近感を持って作品を聴いたり、弾いたりすることができますよね。
この間は6年生の生徒さんにチャイコフスキーについて調べてもらいました。
バレエを習っている子なのでチャイコフスキーの作品はきっとよく耳にしているかなと思って。
チャイコフスキーはものすごく不安症、心配性で繊細。感受性が豊かだったそうですね。
あんなに素晴らしい作品を書きながらも「これで良いのだろうか」と、自分の作品に懐疑的だったそう。
そういう人間らしい一見「弱い」とされる部分を持っているからこそ、人を感動させられる曲が書けたのかなと思います。
↑これは私が悩んでいた大学時代に聴いて感動して泣いた曲です。笑
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