自分のメンタル面に問題が生じている事に気付き、いざ病院を受診してみようと思った際、行くべき診療科はどこなのか戸惑われないように、基本的なポイントを解説していきます。

 

気分の落ち込みが大きく、日常生活に大きな支障が出ている場合は、うつ病の可能性もあります。

 

病院には行きたいけれど、何科に行けばよいかわからない!

私達が日々の暮らしで受けるストレスは増える一方。成果主義に、勝ち組・負け組、自己責任など、私達にプレッシャーを与える言葉があふれています。それに、ストレスにさらされているのは大人ばかりではありません。
 
子供達もまた、授業の補習やクラブ活動、受験対策などで時間に追われ、いじめなど深刻な問題もしばしば起こっています。

それに伴ってかメンタルな悩みで病院を訪れることへの敷居は、一昔前と比べると大分下がってきているようです。病院へ気軽に行って、積極的にメンタルヘルスを自己管理する事は、良いことだという空気も生まれてきているのかもしれません。

しかし、自分が抱えている問題は、何科にいけば解決するのかは意外と分からないものです。心の病気に対応してくれそうな名前の診療科には、「精神科」「神経科」「心療内科」「神経内科」「カウンセリング」など似たようなものが多く、どの科へ行くべきか分かりづらいものです。

心に不調が生じた時に行くべき診療科について、詳しくご紹介していきます。
 

「心の病気」なら精神科・神経科へ

簡単に申し上げますと精神科神経科は同様で、うつ病、不安障害といった心の病気全般が専門です。

内科と名の付く診療科は、基本的に体の病気が専門です。心療内科では胃潰瘍、喘息など「メンタル面の影響が大きい体の病気」が専門で、体の症状≧心の症状が目安です。

神経内科はパーキンソン病など神経系の病気が専門であり、基本的に心の病気とは関係ない事に注意しましょう。

また、病院とは別に、カウンセリングルームでカウンセリングを受けてみたい方もいらっしゃると思います。カウンセリング自体は医療行為ではありませんが、病院での薬物療法の補足にもなり、心の病気からの回復に有効で、心の悩みの相談にも適しています。

以上を表にまとめてみます。 
 
精神科・神経科 心の病気全般が専門
心療内科 ストレスなど精神的な要因のある体の症状(胃潰瘍、喘息など)が専門。体の病気≧心の病気
神経内科 神経系の病気(体の麻痺、パーキンソン病など)を扱う所。間違えないよう注意が必要です
カウンセリング 心の悩み>心の病気

初めて受診される場合は、大学病院や総合病院など、多くの診療科の揃っている病院へ行く事をおすすめします。精神症状が出現する背景には、体内の生理機能に問題が生じている場合もあるからです。

例えば、甲状腺機能に問題が生じている時に、気分が落ち込みやすい事はよく知られています。その際には、気分の落ち込みに対する治療だけでなく、原因疾患である甲状腺機能の治療も必要になるので、一箇所で治療できる総合病院の方が適しているのです。
 
もし日頃からかかりつけの病院がある場合は、そちらで紹介してもらうのも良いと思います。インターネットやお知り合いからの情報も参考になるでしょう。