うつ病を夏バテと見過ごさないためのチェックポイント

夏バテで現われる、だるさ食欲不振不眠胃腸の不調といった症状は心の病気、特にうつ病と重なる部分も多く、うつ病を夏バテと見過ごさないためのチェックポイントを解説していきます。

 

心を開放的にさせやすい夏も終わりにさしかかると、夏バテが現われやすくなります。夏バテに心も要素が多く入っている場合は、うつ病にも用心しましょう!

 

お盆過ぎからの夏の終盤では、暑さが和らいでいくにも関わらず、不思議と疲れやだるさを感じ出すことが多い季節でもあります。

こうした不調はひとくくりに夏バテと考えてしまいがちですが、夏バテで現われる、だるさ、食欲不振、胃腸の不調といった症状は、多くの病気の前駆症状でもあります。本当の病気を夏バテと勘違いしてしまう可能性もあるのです。

今回は、夏バテの症状に心の病気、特にうつ病が潜んでいないかを見逃さないための、チェックポイントをご紹介していきます。

 

意外に心身に負荷がかかりやすい夏

夏と言えば、眩しい太陽の下、浜辺で過ごすひととき、夜風で浴衣をなびかせながら花火見物など、開放的な気持ちに浸れる季節ですが、心身にかかる負荷は侮りがたいものがあります。

 

連日、30℃を超すような高温多湿の気候はもちろんの事、夏ならではの心身への負荷があります。

  • 空調の効いた室内と外の気温の大きな差
  • 体内の水分が発汗で失われやすい
  • 暑苦しくて夜、寝付けない
  • 冷たいものを飲み過ぎ、食べ過ぎ
  • 暑さの為、食欲が落ちやすく、エネルギー不足になりやすい
  • 炎天下での活動による体力の消耗
  • 海や山へのアウトドアなど、外出しやすい季節
  • 帰省などの対人ストレス
  • 夏休み期間中、職場の人数が少なくない為、一人当たりの仕事量が増えた

このように夏はなかなか心身に負荷がかかる時期であり、夏の終わりに心身がぐったりなってしまうのはもっともな事です。

 

実際に、夏バテになってしまった場合は、夏が体の方をぐったりさせているのか、それとも、心の方をよりぐったりさせているのか、ぐったり具合を細かく分析すると判別する事ができます。

 

夏バテとうつ病の症状には重なる部分が多い

夏バテに限らず、疲労の原因は大きく、肉体的疲労精神的疲労の2つに分ける事ができます。肉体的な疲労は肉体にかかる負荷に比例し、体を休ませていれば、疲れは次第に取れるものですが、精神的な疲労はじっとしていても取れ難いものです。

 

夏バテに心の要素が強くないかどうか、以下の事柄があるかどうかチェックしてみましょう。

  • 朝起きた時、一番、ぐったりしているが、夕方になるとだるさが軽くなる
  • 例年の夏と同じように過ごしているのに、だるさが強い
  • 仕事が終わると、うそのように体が軽くなるなど、環境に起因している部分が多い
  • 十分、休息したはずなのにぐったり感が取れない
  • 軽く運動した後、心身が爽快になる

こうした時は夏バテに心の要素がかなり強く現われています。また、夏バテ症状として、睡眠不足食欲不振便秘下痢など自律神経系の不調による症状が現われやすいですが、これらは精神的な負荷がある時にも出現しやすいです。

 

こうした症状とうつ病の初期症状は、症状の強さや持続期間を除けば大差がなく、夏バテと思い込んでしまうと、仮にうつ病だった場合、それを見逃してしまう事になります。

もしも、「ぐったりしていて、とても物事をこなせるような状態ではない」、「やらなければならない事が山済みだが、イライラして全然集中できない」といった場合や、通常の夏バテ対策が効かず、2週間以上も心身の不調が生じている場合は、心の病気に近い状態になっているかもしれません。

うつ病は早期発見が予後を決める重要な要素です。暑い時期でも、心の病気へのアンテナをしっかりと張っておきたいものです。