ケース・スタディ

 
では、バレンタインデーを例に解説していきます。
 
(1)バレンタインデーでチョコをもらった時
チョコをもらえたら(義理チョコでなかったらですが)、あなたのことを想ってくれる人がいたことが分かります。時々覚えるかもしれない孤独感も、この時ばかりは頭から消え失せ、相手からの愛情でうれしくなるはずです。欲求ピラミッドの第3層(帰属意識・愛情)は満たされます。
 
心理学者マズローの欲求階層図:下層に位置する基本的な欲求からより上層の高度な欲求が満足できるように、人の行動は動機付けられています
心理学者マズローの欲求階層図

また、相手から認めてもらえているということも分かりますので、第4層(他者からの尊敬欲求)も満たされるでしょう。もちろん、おいしいチョコはすべての欲求の基礎である生理的欲求を満たしますし、その後、2人で甘い時間を過ごせたら…?言うことなしですね。

(2)ホワイトデーでお返しをもらった時
相手から愛情を感じたり、認めてもらえているという点はバレンタインデーと同様ですが、バレンタインデーとの違いの1つに、お返しという考え方もあります。

2倍、3倍のお返しをもらうと感激するかもしれません。高額になるほど、相手からより認められているという思いにつながりやすいので、第4層の尊敬欲求がより満たされることになります。また、プレゼントを贈る側の男性も、高額のプレゼントを贈ったという一種の達成感を感じます。

欲求の頂点に位置する自己実現欲求はどうでしょう?もしも、「幸福な人生を送る」が人生のモットーなら、「プレゼントをもらえて、ハッピー!」となり、シンプルな構図ですが、こちらの方も満たされるでしょう。

(3)もしもバレンタインデーのチェコをもらえなかったら?
チョコなし→誰も自分の事を気にかけてくれていない?→さびしい…となり、第3層(愛情欲求)が危機を迎えるかもしれません。

しかし、物事は見方を変えると、大分違って見えるものです。今年チョコをもらえなかったからといって、来年ももらえないというわけではないし、そもそも、ホワイトデーでお返しをする必要もないし…。とにかく、最終目標である自己実現を目指して頑張りたいものです。