人が幸せを感じる時は、大抵、何らかの欲求が満たされた時です。プレゼントをもらうのは、うれしいものですが、この場合はどのような欲求が満たされているのでしょうか?

 

基本的な欲求からより高度な欲求が満足できるように人の行動は動機付けられている

「美味しい物を食べたい」「愛されたい」「人から尊敬されたい」…。人が持つ様々な欲求は、行動態度気分を左右しています。

 

欲求が満たされないと心は不安定になり、心の病気になりやすくなりますし、反対に欲求が満たされると幸せを感じます。幸せを感じる時は、大抵、心の欲求が満足された時です。


例えば、プレゼントをもらった時はうれしいですが、このような時はどのような欲求が満たされるのでしょうか?今回は、この欲求について解説していきたいと思います。

 

マズローの欲求5段階説

人の欲求を理解する為には、アメリカの心理学者マズローの欲求5段階説が基本となっています。マズローの理論によると、人の欲求は5層のピラミッドで表され、人の行動はより上位の欲求を満たすように動機付けられています。

最も基本的な欲求である生理的な欲求(食べ物、睡眠、セックスなど)から、より上位の欲求(安全欲求、帰属意識・愛情、他者からの尊敬)、そして、欲求の頂点に位置する自己実現までを目指します。

 

下位の欲求になればなるほど、人間にとって基本的な欲求となり、真っ先に満たされることが要求されます。ことわざにも「衣食足りて礼節を知る」とあるように、他者からの尊敬や自己実現といった高度な欲求を満たすには、まず、生理的欲求を満たされていることが必要です。

欲求が満たされない時は、心に緊張が生じ、心の安定が脅かされます。例えば、職場で上司が自分のアイディアを認めてくれず、自分のやりたい通りの仕事ができないような時は、仕事を通じての自己実現が難しくなります。

 

ストレスが慢性的になると、高血圧や心血管系の病気、糖尿病など、体への症状が現れやすくなりますし、心の緊張は睡眠障害、うつ病などの引き金にもなります。

また、ドーピングの誘惑に負けてしまうスポーツ選手のように、他人からの尊敬や自己実現を果たす為に、ルール違反を犯してしまうこともあります。